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マーケティング最新事例 2025(AD)

デジタル変革の現場から:若手が切り拓く横浜銀行の未来

若手が成長し、キャリア採用に比肩するスキルを習得

MZ:続いては、実際にスキルトランスファーを受けられたデジタル戦略部 マーケティング戦略室の皆さんに、成果や手応えをお聞きしたいと思います。

加藤:私は、前職で基本的なSQLスキルは会得していました。スキルトランスファーでは、横浜銀行固有のシステム構成や、銀行という業界・業態ならではのセキュリティ運用などを重点的に学びました。

 もともとSQLが使えない行員が多い中でも、電通デジタル様には施策実施まで安定的にできるような形で環境を整えていただきました。その結果、行員の中で施策立案からシステム構築、実施後の効果検証、改善案を出すまでPDCAサイクルを自社内で回していけるようになりました。気軽に佐藤さんに相談させていただける環境があることも、安心感がありますね。

株式会社横浜銀行 デジタル戦略部 マーケティング戦略室 マーケティンググループ 加藤健介氏独立系SIerでデータエンジニアとして従事した後、2024年に横浜銀行に入行。現在は、マーケティング業務の運用からパーソナライズ施策の設計・実施を担当する。
株式会社横浜銀行 デジタル戦略部 マーケティング戦略室 マーケティンググループ 加藤健介氏
独立系SIerでデータエンジニアとして従事した後、2024年に横浜銀行に入行。現在は、マーケティング業務の運用からパーソナライズ施策の設計・実施を担当する。

山本:私は新卒で入行したため、大学時代に統計ツールを少し触った程度の知識しかありませんでした。スキルトランスファーを通じて、今ではMAツールの設定やBigQueryを使ったデータ分析、さらには機械学習モデルの構築まで自走できるようになりました。

 覚えるべきことが一気に入ってきたので大変な場面もありましたが、基本的な部分から実際の施策実行の段階へと徐々にステップアップする形で教えていただけたので、スムーズに学び進めることができました。施策を検討する際に「システム上でどう実現するか」という視点を持てるようになり、実務への反映スピードが格段に高まるとともに業務の質・効率の両面で成果を実感しています。

株式会社横浜銀行 デジタル戦略部 マーケティング戦略室 マーケティンググループ 山本紘由氏2022年に本部直配属の採用枠(データサイエンスコース)で新卒入行。現在はカードローンの広告運用やMAツールの設計・運用、機械学習モデルの構築などに取り組む
株式会社横浜銀行 デジタル戦略部 マーケティング戦略室 マーケティンググループ 山本紘由氏
2022年に新卒入行。本部専門コース(データサイエンスコース)で採用され、現所属に直配属となる。現在はカードローンの広告運用やMAツールの設計・運用、機械学習モデルの構築などに取り組む。

MZ:現場の若手の成長について、室長の安部さんはどうご覧になっていますか。

安部:マーケティング戦略室は、およそ半分が新卒入行、半分がキャリア採用の人財です。またキャリア採用と一口に言っても、同業種から来る人、広告会社から来る人、SIerから来る人など多種多様です。

 キャリア採用のメンバーは銀行ならではの業務や商品、売り方についての知見を持っていませんから、新卒から入行している行員のメンバーにそれらを学びます。逆に新卒採用行員は、キャリア採用メンバーから専門知識や他業界の知見を学ぶ。多様な価値観が共有される環境で、お互いに補完し合いながら、一つのミッションに向けて働ける環境です。新卒採用行員もいい意味で影響されながら、キャリア採用人財に負けないレベルまで成長できていますね。

データ活用でもっと「気が利く」パートナーへ

MZ:最後に、今後の展望についてお教えください。

加藤:現在、横浜銀行では従来の分析では捉えきれない深い顧客理解を目指し、生成AIを活用した潜在的なニーズの検知に取り組んでいます。2025年8月に開催された「Google Cloud Next Tokyo 2025」では電通デジタル様とともに登壇し、生成AIとデータの相互補完によって顧客ニーズ検知システムを発展させ、One to Oneコミュニケーションを深化させる構想をご紹介いたしました。

 この構想では、対面・Web・アプリ・電話など、あらゆるチャネルから得られるお客さまの情報を構造・非構造データ問わず集約し、それらの情報をもとにAIが最適な商品やアプローチ手段を判断することで、よりパーソナライズされた顧客体験の提供を目指しています。

 私は本システムの開発も担当しているのですが、このような高度な顧客理解を実現するためには、AIモデルの精度だけでなく、それを支えるデータ処理基盤の柔軟性と高速性が重要であると考えています。現在、Google CloudのCloud Composerを活用し、データ抽出・変換・出力といったETL処理を含めて自走できる体制の構築を進めており、行員自身が必要なデータを自ら選定・整備し、Vertex AIにおける仮説検証からMAツール上でのマーケティング施策の設計・実施、効果検証までを一貫して担うことで、PDCAサイクルを主体的かつスピーディに回せる環境が整いつつあります。

 こうした施策は、若手メンバーの柔軟な発想とテクノロジーへの高い感度を活かすことで、新たな価値を創出できる可能性を秘めていると思います。今後も、テクノロジーと現場の知見を融合させることで、より多くのお客さまに新しい金融体験を提供できるよう挑戦を続けていきます。

山本:今後は、商品プロモーションにとどまらず、お客さまのニーズに対しデジタルで完結できる手続きをタイミングよく促すコミュニケーションにも挑戦していきたいです。たとえば「支店に行かないとできない」と思われがちな手続きに対して、実はアプリで簡単に完了できることを、来店される前に先回りしてお知らせする。そんな「気が利く」コミュニケーションができれば、銀行のサービスはもっと身近で便利な存在になれるはずです。

 将来的にはAIチャットとの会話ログを活用することもあり得ると考えています。お客さまの発言を自然言語処理で解析し、手続きの必要性を検知、そこからパーソナライズされた案内を自動で送る仕組みが実現できれば、銀行のマーケティングはお客さまに気づきを提供する存在へと進化できるでしょう。

 金融商品を売るだけでなく「お客さまの生活に寄り添い、課題を先回りして解決するパートナー」へと進化する。そんな未来を、デジタルの力で切り拓いていきたいですね。

佐藤:業務改善の部分も取り組めればと考えます。銀行業務の様々な場面をAIエージェントで効率化することで、生まれた時間を他の営業活動に使っていただき、銀行の収益拡大を目指していきたいです。

 当社と横浜銀行様、これからも長くパートナーとして、両社がWin-Winになれる関係を構築し続けていきたいと思います。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社電通デジタル

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2025/12/09 11:00 https://markezine.jp/article/detail/50010

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