SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

注目マーケティングトピックス2025

「TikTok Shop」日本上陸の勝算は?先行する米国市場の「光と影」、マーケ活用のヒント

動画コマースの未来と、その先にある「ネクストジェネレーション」な購買体験

 私の実感として、TikTok Shopの登場は、ブランドが動画コンテンツを“当たり前に作る”きっかけになり、動画コマースの裾野を一気に広げました。米国市場では課題も露呈しましたが、「動画コマース」というフォーマット自体は、消費者が好む体験として今後も確実に拡大していくと見ています。実際、米国ではSNS、ECサイト、実店舗といったあらゆる接点を横断して一貫した購買体験を提供するユニファイドコマース(Unified Commerce)が“前提”になりつつあります。

 こうした進化はTikTok Shopに留まりません。私が注目しているのは、中国の大手プラットフォームが見せている“Next Level”です。最新のアプリ体験は、ほぼ動画セントリックなUI/UXで、表示面の多くがライブかショート動画で構成され、静止画はごく限定的です。さらに、類似商品をタップすると、そのまま別の動画フィードに“滑らかに遷移”するなど、従来のECの枠組みを超える体験設計が実装されています。正直に言えば、米国も日本も、まだこの水準の体験には追いつけていない——私はそう感じています。

 もちろん、TikTok Shopは重要なプラットフォームです。しかし、世界は常に更新されています。動画を起点とした購買体験の最前線は、国や地域を横断して次々に現れるという事実を、私たちは前提に置くべきです。

 私自身、動画×コマースの専門家として、海外の先端事例を現場目線で吸い上げ、“信頼設計”と“体験設計”を両立する日本型アプローチへ翻訳していきます。読者のみなさまが、目前のプラットフォーム施策だけでなく、次の世代の購買体験を先取りできるよう、今後も継続的に知見を共有してまいります。

参考出典(本文内で引用した主なデータ)

TikTok Shop 2024年GMV US$33.2B米国US$9B(Momentum Works要旨)

手数料の段階引き上げ(2%→6%→8%)$0.30固定(2024年報道)

AOVの相対比較TikTokのAOV約$43、Metaは高水準の傾向

PRISM+:12.12セールで前月比58.6%増

米国BFで1日$100M超(ライブ3万超)

日本国内認知者調査:認知は広がる一方、購入経験は8.8%にとどまり、最大の懸念は「品質不安」

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
注目マーケティングトピックス2025連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

瀧澤 優作(たきざわ ゆうさく)

Firework Japan株式会社

慶應大学在学中にシリコンバレーへ留学し、2017年、創業3ヵ月のFireworkに7人目のメンバーとして参画。2021年よりFireworkの日本事業立ち上げを指揮。2024年までカントリーマネージャーとして、統合型動画ソリューション「Firework」の日本市場立ち上げを...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2025/11/14 09:00 https://markezine.jp/article/detail/50099

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング