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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Spring

注目マーケティングトピックス2025

マーケターはいても「価値創造人材」は少ない?元資生堂・北原氏がたどり着いた「最高のチーム」の作り方

購入意向1%の新商品を通せる「勇気」「センス」があるか

MarkeZine:価値創造人材が不足しているのは、なぜなのでしょう?

北原:原因の一つとして、マーケティング人材の偏りがあると思います。

 マーケティングも、昔は今のように複雑ではなく、もっとシンプルでした。いかに世の中を「Wow!」と言わせるような新しい価値を作り出せるか、それをとことん考えていたように思います。

 テクノロジーの進化にともない、マーケティングではHowの手法やツールが一気に増えましたよね。企業はこれに対応すべく、ここ10年くらいデジタル人材やアナリティクス人材の育成・確保に注力してきました。しかし、AIによりデジタル領域の高度化と効率化が進んだことで、もはやHowのマーケティングだけでは競争優位性を維持できなくなっています

 となると、競争優位の源泉である「価値の創造」に迫られることになるわけですが、多くの企業でその中心を担えるマーケティング人材が育っていません。マーケティングのHowに精通した人材はいても、実務レベルでゼロイチのプロセスを経験してきた価値創造人材が、現場で育っていないのです。

MarkeZine:なるほど。Howのほうが学びやすいという側面もありますし、価値創造人材の育成は一朝一夕にはいかなそうです。

北原:人材育成に加えて、組織的な課題もあります。新価値を創造するには、「顧客がまだ自覚すらできていないニーズ」を捉えなければなりません。難しいのは、「顧客もまだ自覚していない」ので、調査をしても数字が出てこないということ。コンセプト調査で「購入意向1%」だったものが大ヒットするといったケースを経験している人が今の組織には少ないんですよ。

 「9人が反対したアイデア」を選べる勇気やセンスが、組織に欠けているという問題もあるでしょう。

ブランドの根源価値を、購買の瞬間まで届ける難しさ

MarkeZine:価値創造人材の不足が深刻化する中、北原さんはMICHIでどのようにして企業の価値創造をサポートしようとしているのでしょうか?

北原:「レンタルCMO」や「レンタルBM」のような形で事業会社のチームに深く入り込み、併走していく形をとっています。現場に足を運び、モノ作りの現場にいる方や技術者の思いをヒアリングし、まだ言語化されていない企業のDNAを深く掘り起こすところから始め、引き出した価値を「ブランドのバイブル」として言語化していく。このバイブル作りが、すべてのスタートラインです。必要であれば、調査の設計やクリエイティブ制作のブリーフィングもサポートします。

 そして、最も重視しているのは「自走できる組織」を作ることです。私が永続的にコンサルし続けるのではなく、自社内で価値を創造し、ブランディングを実行できるようになるまで、その考え方やプロセスをインストールします。マーケティングのフレームワークを提供するだけでは、自走できる組織は作れません。

MarkeZine:ブランドのバイブルを作っても、それに沿って統合的なブランディングを実行していくのは難しいですよね。

北原:ええ、どんなに素晴らしいブランドの根幹を作ったとしても、「ブランドがパワポの中だけ現象」は往々にして起きてしまいます。美しいブランドのバイブルを示したデック(資料)があるのに、店頭や顧客接点では「ブランド体験」でなく「買わせるだけ体験」になってしまいがち。創造した価値がお客様の体験として最後まで繋がっていないケースは散見されます。

 ブランディングで価値の根源を作った後も、価値創造のプロセスは続いていきます。上流で定めたブランドバイブルが、表現(クリエイティブ)に落とされ、最適な届け方(コミュニケーション設計、店舗設計)で世の中に出ていく。これをうまく繋げるには、各ポイントでその領域に精通した価値創造人材が必要です。

MarkeZine:MICHIは北原さんおひとりの会社ですが、価値創造のプロセスをどのように繋いでいくのでしょうか?

北原:まさに、その課題にぶつかっていた時、とある記事でアマナさんの「Great RIVER」というサービスを知りました。「Great RIVER」は、ひとことで言うと創造性の高いプロフェッショナル人材を“レンタル”できるサービスです。まさに私が欲しかったサービスだと思い、自分からラブコールを送りました。実は2025年の11月から「Great RIVER」の顧問を務めさせていただいています。

GREAT RIVER
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社内に人材がいないなら「創造性のレンタル」という選択肢も

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この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/12/08 08:30 https://markezine.jp/article/detail/50159

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