PPIHグループ×博報堂が展開するリテールメディア事業
国内小売4位、ドン・キホーテなどを展開するPPIHとは
PPIHグループと、博報堂の個性を掛け合わせた新会社として2023年12月に設立されたpHmedia(ペーハーメディア)。同社は、PPIHグループにおけるリテールメディア事業に取り組んでいる。試験紙のように施策の反応(効果)を返す会社になりたいという思いから、pHmediaと名付けられたそうだ。
PPIHグループは、中核事業である「ドン・キホーテ」のほか「アピタ」「ピアゴ」などの事業を展開するメガリテールで、2兆円以上の売上規模を誇る。その特徴は、「非日常エンターテインメント型店舗」にあり、来店客が宝探しをするようにワクワク・ドキドキしながらお買い物を楽しめるようなユニークな売場作りをしている。
pHmediaが展開する“らしさ”を活かしたリテールメディア
そんなPPIHの強みを活かしたリテールメディア開発のコンセプトとして、pHmediaが提唱しているのが「狼煙型マーケティング」だ。これはひとことで言うと、商品がその場にあるという“地の利”を活かしながら、PPIHを話題の“震源地”とし、その情報をオンオフで拡散していくという考え方である。

この狼煙型マーケティングの背景には、ドン・キホーテ自体が生活者の間で「SNS発信のネタやコンテンツ」となっており、話題に上りやすいという特徴がある。たとえば、Instagramでは「#ドンキ購入品」などのハッシュタグで、ドン・キホーテで購入した商品をまとめて紹介するようなUGC投稿が多数あがっている。
pHmediaでは、こうした顧客の動きも含めてリテールメディアソリューションを開発し、“ワクワクとデータドリブンを両立する”リテールメディア事業を推進。オフライン(店舗の棚を活用する施策)、オンライン(PPIHグループのmajicaアプリやSNSなどでの情報発信)、データ(リテールデータの活用施策)の大きく3つのソリューションを提供している。
「pHmediaのリテールメディアは、“拡散性”や“拡張性”に独自価値があります。狼煙型マーケティングでは、ドン・キホーテなどを中心に、PPIHの中だけでなくPPIHの外へ情報を広く届けることができます」(松居氏)
日本でもリテールメディアへの注目が高まっているが、2025年時点では多くの企業がまだトライアルの段階にいる。リテールメディアでブランディングやマーケティングはどこまでできるのか、探っている読者もいるだろう。
セッションで松居氏は、花王、ファイントゥデイ、ロート製薬の3社の事例からリテールメディアの可能性を紹介した。
