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セブン×ヤッホー「有頂天エイリアンズ」大ヒットの裏側 “300円の壁”を越えた共創と熱狂の作り方

データと足で稼ぐ 小売×メーカーの「チーム化」が棚を確保した

高山:いくら話題になっても、コンビニの棚に並んでいなければ買えません。商品供給や棚の確保については、どのような苦労がありましたか?

畠中:先ほど申し上げた通り、「300円超えのビールは売れない」という定説が社内にも加盟店オーナーにもあります。これを覆すために重要だったのが、一部地域での徹底したテスト販売です。

 このテスト販売で、通常の新商品の約6倍という圧倒的な実績を作りました。この「数字という事実」があったからこそ、全国の加盟店オーナーに向けて自信を持って推奨することができました。

高山:テスト販売の段階から、ヤッホーさんもかなりコミットされたとか。

本田:そうですね。単に商品を納入して終わりではなく、タクちゃん(畠中さん)と一緒にテストエリアの店舗を回り、オーナーさんの声を直接聞く活動を続けました。

 「なぜ発注しないのか」「どうすれば売りやすいか」を泥臭くヒアリングし、それを施策に反映させる。メーカーと小売という立場を超えて、「一つのチーム」として動けたことが最大の勝因だと思います。

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ヒットの再現性は「関係性」にあり 共創が次の市場を作る

高山:最後に、今回のヒットの「再現性」について伺います。この成功は、他の商品やプロジェクトでも再現可能でしょうか?

畠中:決して簡単なことではありませんが、再現性は「手法」ではなく「プロセス」にあると思います。今回は社内の地区担当MDなども巻き込み、多くの人を「当事者」にすることができました。単に商品を投下するだけでなく、地道な啓蒙活動や、多くのステークホルダーを巻き込んで熱量を作っていくプロセス自体は、他のカテゴリーでも応用できるはずです。

本田:私は「関係性」に尽きると考えています。お互いが「発注主と業者」ではなく、「クラフトビール文化を広げる」という同じ北極星を目指すパートナーになれたこと。言いたいことを言い合い、困難を一緒に乗り越える関係性が築ければ、どんな商材でも新しい市場は切り拓けると思います。

高山:ターゲットの解像度を高め、コアなファンと共創し、そしてメーカーと小売がワンチームとなって市場を作る。今回の「有頂天エイリアンズ」の事例は、単なるヒット商品の開発秘話にとどまらず、これからのマーケティングや事業開発における重要な示唆に富んでいました。本日はありがとうございました。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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2025/12/04 08:00 https://markezine.jp/article/detail/50184

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