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ソーシャルから見るトレンド・ムーブメント

「乗っかりミーム」「AI」「ゆるツラ」……2025年の年間SNSトレンドを徹底解剖!

 2025年もソーシャルでは多くのミームが生まれ話題になりました。X・TikTokを中心に2025年に話題になったトピックスから、今後の「SNSでのトレンドの兆し」について、ソーシャルボイスの分析を得意とするTBWA HAKUHODOの65dB TOKYOが探ります。

トレンド概要-2025年のキーワードまとめ

 2025年XとTikTokのトレンド入りしたハッシュタグや、多くのいいねを獲得したバズ投稿を集めました(図1)。

【図1】2025年トレンドワードまとめ
【図1】2025年トレンドワードまとめ

 トレンドになったキーワードを分析していくと、次の2つの要素が2025年のSNSでのトレンドと関わっていることがわかりました。

  1. 話題への乗っかりでその場感を楽しむ
  2. AIコンテンツの急増と進化

①話題への「乗っかり」から見る特徴と兆し

 2025年のX・TikTokでは“文脈に参加する”動きがより顕著になりました。

 上半期のトレンドでは「エッホエッホ」や「情けない写真の募集」「育児ママあるある祭り」など1枚画像を使った大喜利的なミーム投稿が度々トレンドとなっていました(図2)。

【図2】2025年上半期にXでトレンド入りした画像ミーム
【図2】2025年上半期にXでトレンド入りした画像ミーム

 さらに、2025年の下期では画像1枚への乗っかりから進化して、Xの機能を活かした「うまくヘッダーに収まらない」、画像に文字を加えた「おさわりマップ」など、1枚の画像に“ちょい足し”をした投稿・ミームの広まりが見えてきました(図3)。

【図3】2025年下期にはちょい足し・ミーム乗っかりが増加
【図3】2025年下期にはちょい足し・ミーム乗っかりが増加

 こうしたミームへの乗っかりを起点にしたバズは度々発生し、1つの界隈(コミュニティ)内だけでなく、多数の界隈(コミュニティ)に広がることで盛り上がりを見せていました。

  こうした文脈がバズを生んでいる理由として、「ゆるくつながり、深く考えずに楽しめる場」としてのSNSを生活者は求めていることが考えられます(図4)。

【図4】ミーム乗っかりがバズる背景
【図4】ミーム乗っかりがバズる背景

 SNSで炎上することへの恐れから発信への慎重さや、素直な感情表現への疲れが続く中で、今期はミームに乗っかって「とりあえず混ざる」「みんなで同じ景色を見る」という軽い参加をしながら同じ場に居合わせる楽しさが好まれる傾向が見えてきています。

 今後は「共感したい/されたい」よりも、ゆるくつながりたい気持ちがミームの主動力になっていく可能性があります。

②AIコンテンツの急増と進化、AIとの共生

 2025年のSNSではAIに関する話題が急増し(図5)、「AIとの結婚」などがトレンド入りをして話題となりました。日常生活の中では人々はAIチャットを活用し、AIが欠かせない存在となり「パートナー」としてのあり方が定着し始めています。

 また、TikTokを中心にAIを活用したキャラクター・コンテンツ・フィルターなどが何度も話題になり、AIは確実に我々の日常の中での接点を増やし、急速に根付いてきています。AI関連の話題・コンテンツはXでもTikTokでも2025年に急増しているのがわかります。

【図5】AI関連の話題が急増
【図5】AI関連の話題が急増

パートナーとしてのAI

 特に2025年に活用が広まったのは「パートナー」としてのAIの活用です。

 多くの人が日常生活で愚痴や困ったことを相談する相手としてAIを選んでいます。さらにそこから発展し、AIと恋人関係になったり、結婚をしたりなどAIとの関係が深まっている様子が見られました。

 これからもこのように、AIがいることで1人でも豊かな日常生活が送れるようになる人が増えていくでしょう。

コンテンツとしてのAI

 特にTikTokでは「AI生成ラベル」を用いた=AIによって作られたコンテンツが急増し、何度もトレンド入りをしました。たとえば、一瞬で空想的なマーメイドに変身できるフィルターや、子どもの頃から大人までの成長過程を動画にした成長記録AIなどです(図6)。

【図6】TikTokを中心にトレンド入りしたAIコンテンツ
【図6】TikTokを中心にトレンド入りしたAIコンテンツ

受け入れられるAIコンテンツのポイント

 しかし、こういったAIによるコンテンツはポジティブに楽しまれるだけではなく、権利の問題から大きなネガティブにつながることもあります。人々に受け入れられるAIコンテンツを作るためには次の2つがポイントになるでしょう。

  1. AIであることを明記・理解してもらう
  2. AIらしい「奇妙さをもつ表現」であること

 AIで作られたコンテンツであるにも関わらず、AI生成だと隠して発信することで、ユーザーは「だまされた」と感じ嫌悪感につながってしまうことが多いです。そのため、「AIらしさ」をきちんと発揮していくことが今後もAIコンテンツを楽しむ鍵となると考えられます(図7)。

【図7】AIらしさを楽しむ
【図7】AIらしさを楽しむ

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トレンドから見えてきた今後も注目が高まる兆し「ゆるツラ」

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この記事の著者

65dB TOKYO(シックスティーファイブデシベル トウキョウ)

 65dB TOKYOは、ソーシャルリスニングを中心としたマーケティング支援チームです。「65dB」とは、人々が通常の会話で発する音声の強さ(65デシベル)から名付けられており、生活者の声からブランドアクションを生み出す分析および戦略立案を行います。また、TBWA HAKUHODO傘下に組織を置くことで、グローバルレベルのクリエイティブチームとも連携し、マーケティングプロセスをワンストップで支援することも可能です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/12/09 08:00 https://markezine.jp/article/detail/50193

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