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世界動向の先を読む「もう1つの視点」

「リアル×デジタル」が真に融合する時 Amazon ×Whole Foodsの「MFC2.0」が始動

過去のしくじりと米国事例から、日本企業が学べること

 日本企業が陥りがちなのは、「Amazonのような巨大垂直統合モデルは真似できない」と立場の違い探しに終始してしまうことだ。

 たしかに、セブン&アイやイオンのようなリテール・コングロマリットであれば、Amazonのようにロボティクス・アプリ・物流・店舗体験までを自社で統合する道もあるが、莫大な投資と長い時間が必要だ。

 上記2社ほど巨大ではない多くの上場企業にとって現実的な選択肢は、「Walmart型の地道な長期エコシステム構築」に近い

 WalmartはSymboticを買収し、「自社の主要店」を活かして顧客基盤をプラットフォームとして開放。国内のロボティクス企業やAIスタートアップ、そしてMicrosoftのような巨人パートナーとの出資および共創を通じて、「強靭な鍋底(エコシステム基盤)」を構築するという戦略をとっている。

 Kroger×Ocadoのように「発注者とベンダー」の閉じた関係性に留まると、“薄い鍋底”のまま限界を迎える。Amazon×Whole Foodsのような垂直統合、またはWalmart×Symboticのような出資・合弁レベルでの深い連携が、チェーン店規模の事業のヒントになる

 これは単なる物流産業の「後付け補完」ではない。ブランド事業主にとっても、次なる成長の鍵は「顧客体験の統合」と、それを支える「強靭な鍋底(エコシステム)」の準備にある。テクノロジー・店舗・物流を含むアセット(資産)の投下競争が、新たな競争軸として顕在化してきたということだ。

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この記事の著者

榮枝 洋文(サカエダ ヒロフミ)

株式会社ベストインクラスプロデューサーズ(BICP)/ニューヨークオフィス代表
英WPPグループ傘下にて日本の広告会社の中国・香港、そして米国法人CFO兼副社長の後、株式会社デジタルインテリジェンス取締役を経て現職。海外経営マネジメントをベースにしたコンサルテーションを行う。日本広告業協会(JAAA)会報誌コラムニスト。著書に『広告ビジネス次の10年』(翔泳社)。ニューヨーク最新動向を解説する『MAD MAN Report』を発刊。米国コロンビア大学経営大学院(MBA)修了。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/12/22 09:30 https://markezine.jp/article/detail/50227

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