MarkeZine初開催のアワード、大賞&部門賞が決定
2026年に20周年を迎えるMarkeZineは、「マーケティングで未来を切り開く」をコンセプトに、業界の変革をリードする皆様と共に歩んでまいりました。この折に初の試みとして開始した「BEST OF MARKETING AWARD 2026」は、“マーケティングで未来を切り開く”マーケターのみなさんの挑戦を称え、業界全体でその英知を共通しあう場です。
今回のアワードでは、事前に募集した6つの部門のうち、「ソーシャル・インパクト部門」「グロース・イノベーション部門」「CX部門」「データ&テクノロジー ドリブン部門」「BtoB部門」の5部門において部門賞が決定し、その中から大賞を決定いたしました。
なお、受賞企業各社は「MarkeZine Day 2026 Spring」にて取組内容に基づいた講演を行う予定です。
以下、受賞した企業と審査対象となったマーケティングの取り組み内容をご紹介します。
大賞&ソーシャル・インパクト部門賞
日本社会の食品ロス削減に大きく貢献した「涙目シール」
企業名:株式会社ファミリーマート
広告会社/広告代理店:The Breakthrough Company GO
対象ブランド/商品/サービス/プロジェクト:涙目シール
ファミリーマートと同社のブランディング施策に携わるThe Breakthrough Company GOは、日本人の約9割が「食品ロスを改善したい」と思っている事実に着目。従来の値引きシールに、涙目のおむすびが“たすけてください”と訴えかけるイラストを追加することで、消費者の感情に訴えかける「涙目シール」を考案しました。一部店舗での実証実験を経て効果を確認し、全国16,000店舗で実施しています。
義務感や「値引き商品を手に取るのは恥ずかしい」ではなく、涙目のイラストを助けてあげるというナッジ型コミュニケーションを実現。共感による購買動機を生み出すことを目的としたデザインで、「企業が課題(食品ロス)を隠さず、正直に”助けて”と訴え、それに消費者が購入という行動で応える」感情的なつながりを生み出しました。
【講評コメント】
最終審査でも審査員全員が満点を付ける評価となりました。
わずか15mmの涙目シールにこのようなクリエイティビティが発揮できること、ここまで大きなインパクトを生み出せること、またその裏に綿密な戦略と検証プロセスがあることに強い衝撃を受けました。すべてのマーケターにとって大いに学ぶところがある施策だと思います。
そして、デザインをフリー素材化し、食に関わる多くの企業が抱える「食品ロス削減」という課題に共に取り組もうとしている点に視座の高さがうかがえます。この施策によって、「ファミリーマート」への好意度がどの程度向上したのかもぜひ知りたいところです。
ソーシャル・インパクト部門担当審査員:
秋田夏実さん(株式会社みずほフィナンシャルグループ 執行役常務 グループCCuO 兼 グループCBO)
The Breakthrough Company GO クリエイティブディレクター 砥川直大氏
受賞企業の担当者が登壇&解説!
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グロース・イノベーション部門賞
ヘアケア事業全体の変革プロジェクト
企業名:花王株式会社
対象ブランド/商品/サービス/プロジェクト:ヘアケア事業全体
近年、国内のヘアケア市場では1,400円以上のハイプレミアム帯が急拡大し、2024年時点で市場全体の約4割を占めるまでに成長。一方で、花王のハイプレミアム商品構成比は当時わずか1%にとどまり、市場構造との乖離が顕著に。マス(1,400円未満)に強みを持っていた花王のヘアケア事業は9年連続でシェアを落としていました。
そこで花王はヘアケア事業を大きく変革すべく、新事業ビジョンの策定やブランド作りの体制の切り替え、感性マーケティングを取り入れたモノづくりの推進などを実施。これにより、「melt」「THE ANSWER」「MEMEME」といった新ブランド発売によるハイプレミアム市場への本格参入と既存ブランドのリブランディングを成功させ、ヘアケア事業を成長事業へと育成・強化しました。
【講評コメント】
「研究開発→マーケティング」のプロダクトアウト型から、「スクラム体制」に組織を変更し、開発とブランドの一貫性を両立させた点を高く評価しました。大企業で起こすイノベーションは一定の負荷がかかると想像しますが、定量的・定性的な成果を出すところまでやり切っている点も素晴らしいと思います。
グロース・イノベーション部門担当審査員:
リュウ シーチャウさん(株式会社サニーサイドアップ 代表取締役社長)
