Z世代の「気持ち」に思いっきり寄り添う
2つ目のカテゴリーは、Z世代の“感情”に徹底的に寄り添った広告事例とインサイトです。SNSのアルゴリズムにより自分の関心事だけに囲まれがちなZ世代にとって、「遠い存在」を「自分ごと」に変換してくれたり、世間の固定観念ではなく当事者のリアルな気持ちに寄り添ったりする広告は、深い共感と信頼を生みます。
身近チェンジ
触れる機会が少ない事柄を、身近なものに置き換えて表現する手法です。たとえば、海外の夜市を大学の学食に、世界大会を運動会に見立てるなど、Z世代にとって身近なものに落とし込むことがポイントです。
東京成徳大学で撮影された「#旅するキャンパス」をテーマにしたWEB CM。100人の学生が大学内で海外旅行を疑似体験する様子をまとめている。図書館がHISの旅行カウンターに、グラウンドがリオのカーニバルに、体育館が台湾のランタン祭りに、学食がアジアのナイトマーケットに変わり、「旅の楽しさ」や「新たな発見」の価値を伝え、旅への想いを後押しした。
食べ物見立てコスメ
コスメの質感や色を食べ物に喩えて表現する手法です。よくある「潤い感」「しっとり感」といった抽象的な言葉より、「桃リップ」「テリーヌ肌になれるUVクリーム」「生チョコファンデ」のように誰もが知る食べ物で表現することで、テスターなしでも具体的にテクスチャーをイメージできます。ネットショッピングを多用するZ世代に最適なアプローチです。
美容系TikTokerの月姫(るね)のタイアップ投稿。桃を食べながらリップを紹介し、桃の瑞々しさと商材の質感をリンクさせ、直感的に伝わる表現を実現した。
合法プチモラル違反
モラルに反しかねない行為を、人の目を気にせずに楽しみたいという欲求に応えています。
モラルに反する行為により、SNSで炎上する人を目にする機会が多いZ世代は、他人の目に敏感です。少しでもモラルに反する行為をしてSNSに晒されたり、批判されたりすることを恐れています。その抑圧された欲求を発散できる、モラルに反する行為を合法的に楽しめるポップアップイベントが人気を集めました。
2025年は体験型展示イベント「炎上展」が開催されたり、映画『俺ではない炎上』が公開されたりなど、“炎上”をテーマにしたコンテンツが話題を生んでいます。
オリジナルメニューを注文すれば、「クラフト100%パルメザンチーズ」を好きなだけ料理にかけてもいいというイベント。企業が公式にチーズの大量使用を推奨することで、罪悪感なく楽しめる体験を提供した。
イメージなし時期寄り添い
一般的な季節イメージにとらわれず、当事者の感情に寄り添う広告です。受験といえば冬、恋愛といえばクリスマスというイメージがありますが、実際には特定の時期以外にも努力している当事者は多いもの。そこに寄り添うことで、「本当に理解してくれている」という信頼感が生まれます。
ニューヨークが秋特有の悩みを抱える受験生を演じるOOH。「冬だけじゃない。秋だって、いろんなものと戦ってるんだ。」というコピーで、部活から勉強への切り替えに苦しむ姿をリアルに描いた。
激変不変安心感
時代が変化しても、一貫して生活に寄り添う姿勢が描かれてることで、長く続くブランドとして商材に安心感を抱く傾向があります。SNSによりトレンドの移り変わりが加速する中でも、一貫性を感じる企業の姿勢や変わらない商材は、今後も生活を支えていくと感じられて信頼につながります。
