「使われているが、指名されない」からの脱却を
本記事では、MarkeZine編集部が主催するマーケティングアワード「BEST OF MARKETING AWARD 2026」において、ブランディング部門にノミネートされた求人ボックスの事例を紹介する。
同取り組みのテーマは「人材業界No.1ブランドに向けた『サービス名称認知・想起』の向上」。人材業界は巨大な成長市場である一方で、一部の強力なプラットフォーマーによる寡占状態が続いてきた。求人ボックスを運営するカカクコムは、この状況が求職者の選択肢を無意識に狭めていると考え、あらゆる求人情報を集約して可視化することで「情報の非対称性」を解消し、真のユーザーファーストを実現することをミッションに掲げた。
しかし、その高い志とは裏腹に、実態調査では厳しい現実が突きつけられた。求職者の多くは1〜3サービスしか併用せず、そのうち大半が特定のサービスを「指名」して利用する。求人ボックスは求人掲載数や検索流入において国内トップクラスの実績を持ちながら、純粋想起率(仕事探しで思い浮かぶブランド)はトップブランドに対して1o分の1ほどに留まっていた(※)。
「10年間で堅調に成長した反面、指名利用されるまでにはまだ至っていない」。同社の小島塁氏はこれまでの状況を語る。機能面ではプロダクトを磨き続けてきた自負がある。しかし、ユーザーの記憶に残っていない以上、「真のユーザーファースト」を実現することはできない。
そこで求人ボックスは、中期経営計画の根幹にブランド投資を据え、企業として初めて「情緒的な価値」への本格的な投資を決断した。ゴールは、求職者/採用企業がメイン利用する1~3社(エボークトセット)に入ることだ。
※株式会社カカクコム自主調査より
