分析前に大半の時間が消えている
では、「データの壁」の実態とは何か。田中氏はその具体的な要因として4つを挙げる。
まず「データの散在」だ。広告データだけでもGoogle、Yahoo!、Metaなど複数のプラットフォームを使用しているケースが多い。さらにCRM・MA・EC・店舗と、データはあらゆる場所に点在している。
集約も骨が折れるが、形式などが異なるデータを1ヵ所に集めても一括で分析することは難しい。2つ目の要因「データの品質」の問題が浮かび上がる。大規模なデータ統合でなくとも、データ品質の管理は容易ではない。
「イベントに出展した場合、数百~千件のリストが納品されます。それらをCRMやMAのデータベースで正しく分析するためには、名寄せをはじめとするクレンジングが必須。ここを手作業すれば多くの時間を割いてしまいます」(田中氏)。
3つ目の要因が「IT部門・マーケティングオペレーションへの依存」だ。必要なデータを抽出するためにIT部門へ依頼すると、対応まで1週間や10日かかることも珍しくない。変化の速いマーケティング現場において、これだけのラグがあってはスピーディーなPDCAサイクルが回らなくなってしまう。
4つ目に再び「属人化」が立ちはだかる。名寄せのためにつくられたExcelマクロが、担当者の異動や退職によって誰も手を付けられなくなるケースは多くの組織で見られる。
こうした状況を打破するために、手作業の繰り返しから自動化された改善サイクルへの転換が求められると田中氏は主張する。IT部門やオペレーション部門に頼らず、マーケティング部門がデータを活用できる環境を作り、マーケター自身が高速に回せる状態を目指すのだ。

そして「データを集める、データを整える、分析する、改善する」というデータ活用のPDCAサイクルのPとD(データ収集・整理)に時間を取られる状況から、後半のCとA(分析・改善)に時間をかけられるような転換が必要だ。その実現を強力に支援するのが、アルテリックスのプラットフォーム「Alteryx One」である。

6万行を1.8秒で処理!Alteryxが実現するデータ活用
セッション後半では、具体的に「Alteryx One」は何ができるか?を示すデモがソリューションエンジニアの山田一也氏によって披露された。
ExcelやCRM・ERPなど様々なデータソースからデータを抽出し、ノーコードでワークフローを組んで加工・準備を行うツール「Alteryx Designer」。作成したワークフローの自動・スケジュール実行と、データへのアクセス権限管理によるガバナンス担保を担う「Alteryx Server」。AIがデータからインサイトを自動提案し、レポート作成を自動化する「Alteryx Auto Insights」。これら3製品が「Alteryx One」の主力だ。
「データ加工の各ステップを“部品”として画面にドラッグ&ドロップし、ワークフローとして並べていきます。ExcelのVLOOKUPに相当する結合、ソート、フィルター、集計などがすべて視覚的に組めます」(山田氏)
デモで取り上げたのは、集計レポートの作成だ。ヘッダー情報が欠けていたり、数値と文字が混在した列ができていたりと、現実のExcel業務にありがちな問題が詰まった約6万2,000行のデータを「Alteryx Designer」ワークフローに通すと、その処理にかかった時間はわずか1.8秒だった。
さらに山田氏は、Excelマクロとの違いも示す。Alteryxのワークフローは各ステップの処理内容と前後のデータ状態を誰でも視認できる。マクロがエラーを起こし対応できなくなった場合も、原因を特定して担当者自身がメンテナンスできる。つまり、マクロの作成者が退職し、誰も扱えなくなるリスクを防ぐことが可能だ。

