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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Online

MarkeZine Day 2026 Spring

マス広告中心からの脱却。ダヴがスクラブ市場を席巻した「ソーシャルファースト戦略」の全貌

「#ふわとろ」が生んだ熱狂。購入意向12倍を叩き出した「界隈」への徹底最適化

 美容感度の高い人へフォーカスする中で見えてきたのが、テクスチャーへの注目度だ。実際に製品を使用したユーザーから「生クリームみたいにとろっとなめらか」という声が続々と寄せられたほか、インフルエンサーが商品を見せる時にも、そのやわらかさを訴求するように容器からすくい上げて撮った素材が多かった。

 そこで、「#ふわとろ」というキーワードを軸にメッセージを開発。同時期、オンラインの20代前半の層で「バブみ肌(赤ちゃんのようなすべすべの肌)」という表現が普及していることを掴み、「#ふわとろDoveでバブみ肌」というハッシュタグを展開した。これが特定の界隈のニーズに合致し、SNS上で瞬く間に拡散。ブランドの認知と人気が一気に広がる大きなきっかけとなったのである。

@yuna_hoshino_official バブみ肌の秘密を教えちゃうぞ #PR #ダヴ #Dove #とろふわDoveでバブみ肌 #ボディスクラブ ♬ オリジナル楽曲 - 星乃夢奈 (ゆな)

 「留意すべきことは、1つのアセットが成功したからといってそこにとどまっていては、すぐにトレンドが変わってしまうという点です。そのためにもPDCAのスピードを上げ、常にトレンドに合わせて改善していくことが必要になります」(前納氏)

 SNSのトレンドは2年前のものですら「古い」と感じられるほど速い。たとえば2年前は、自分のお気に入り製品をコラージュ風に見せるのがトレンドだったが、現在はシンプルな構成が受けている。本製品の場合、そのテクスチャーが話題だったことから、小道具を効果的に使って「美味しそうに見せる」ビジュアルを作り、その効果をスピーディーに検証していった。

 こうした徹底的な「界隈」への最適化が功を奏し、SNS上のダヴ発話数は10倍にアップした。この圧倒的な熱量を受け、ダヴはテレビCM中心だった広告費を大胆にシフトさせ、オンライン主体の施策へと舵を切る決断をした。

 その1つとして展開したMetaの広告商品「Partnership Ad」では、驚異的な数値を叩き出した。業界平均値と比較して広告想起で3倍、ブランド認知で11倍、そして購入意向においては12倍という、桁外れのリフトを記録したのである。

「美容液で洗う」新ボディウォッシュで、高価格帯へ再挑戦

 スクラブでの成功体験は、ダヴのマーケティングに大きな変革をもたらした。これまでマスの認知獲得に注力してきたブランドが、インフルエンサーや発信力のあるクリエイターとのパートナーシップを軸に、いかにオンライン上で文脈を作り、認知を形成していくかを重視するようになったのである。

 その知見を活かした次なる挑戦が、2026年3月に発売された「ダヴ ビューティーセラム ボディウォッシュ」だ。これは、液体ボディウォッシュとしては異例の価格帯に挑む新シリーズである。中身にこだわるダヴが「美容液で体を洗う」というコンセプトの下、ダヴ史上初となるレチノールや、ナイアシンアミド、ヒアルロン酸といったスキンケア級の保湿成分を贅沢に配合。さらに日本初上陸の「ラメラ技術」を採用し、お風呂の中で贅沢なスキンケアを叶える製品として開発された。

画像を説明するテキストなくても可

 スクラブで培った「ソーシャルファースト」の手法を、この高価格帯の製品でいかに再現し、新たな需要を喚起(ディマンドジェネレーション)できるか。ダヴの飽くなき挑戦は続く。

 一連の取り組みを経て、前納氏は「ソーシャルに適応できる『体力』を組織としていかにつけていくかが大切」だと結んだ。

 「プラットフォームごとのアルゴリズムを理解し、トレンドをキャッチするインフラを整えること。そして、生成AIツールなどを効果的に活用して、アセット制作を自動化・迅速化すること。さらに、インフルエンサーを単なる広告塔ではなく『クリエイター(パートナー)』として捉えること。トレンドの移り変わりが速い世界において、消費者の多様性に合わせてこうした体力を整えていくことが、これからのマーケティングにとても重要になると思います」(前納氏)

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/04/10 08:00 https://markezine.jp/article/detail/50546

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