Qoo10と日本テレビ、2社のSNS活用全体像とTikTokの位置づけ
野嶋:このセッションでは、黎明期からTikTokを積極的に活用されてきたQoo10と、多くの番組で網羅的にSNSを活用されている日本テレビの2社から、TikTok活用のポイントを学んでいきたいと思います。まずは、各社どのような目的・位置づけでTikTokを活用しているのか、教えていただけますか?
2015年オプトに入社。SNSを中心とした広告運用に携わる。2021年より、営業および広告運用組織の部長に就任し、EC・教育・人材業界をはじめとするクライアントを担当。2022年より、戦略・戦術プランニング組織を立ち上げた後、2025年1月より、プラットフォームサクセス本部専門役員に就任。
Qoo10・モラーノ:Qoo10は、2018年にeBay(米国)体制後の日本事業を開始しました。今でこそ若年層女性顧客からの認知率は8割を超えていますが、当時はゼロから認知を高めていくことが必要な状況で、フルファネルの露出を図ってきたという経緯があります。そんな中で、TikTokもフルファネルマーケティングの一環として、2019年に活用をスタートしました。
野嶋:TikTokが日本に上陸したのが2017年秋ごろだったので、相当早いタイミングで活用を始められたのですね。その頃は、TikTokが日本で本格的に普及していく前の、まさに黎明期だったかと思います。
Qoo10・モラーノ:そうですね、2019年当時はMAU450万くらいだったと記憶しています。元々Qoo10はモバイル中心に設計・最適化しているサービスです。OOHやWeb広告、テレビCMなど幅広く広告を展開はしていますが、モバイル中心だからこそ、若年層が日常的に使う「縦型動画」というコミュニケーションを軸に据えてきました。
TikTokに関しては、広告という枠を超え、ユーザーと繋がる場所として戦略的に活用してきました。具体的には、「TikTok=企業と生活者の顔が見える場所、双方向の声が集まる場所」と位置付けており、ブランドとユーザーが対話できる“コミュニティ”として運用しています。
慶應義塾大学卒業後、IT/メディア/総合コンサルティングファーム戦略部門等勤務経験を経て、2018年のeBay体制後、同年9月にeBay Japanに入社。 Qoo10事業のBrand Marketingを主に、Qoo10とメガ割の認知拡大を推進。戦略マーケティング室にて、4つのチーム(Branding, Affiliate, Alliance, Design)をリード。2022年10月以降、同職。
野嶋:続いて、日本テレビのSNSコミュニケーションを統括されている栗原さんに、日本テレビのSNS活用におけるTikTokの位置づけをうかがえますか?
日本テレビ・栗原:はい。私は現在、日本テレビの番組SNSの全コンテンツを監修しているチームにいます。公式YouTubeも含めると、合計で200以上のアカウントがあります。
SNS活用の目的は、普段テレビにあまり触れないスマホ世代の入り口を全方位でカバーすること。最近は、テレビ局に入社希望の若者でさえ「家にテレビを置いていない」なんて言う人が多いんですよ(笑)。そんな中で、「こんな面白い番組があるんだよ」と情報を届けるには、やはりスマホでのタッチポイントを増やすのが一番ですから、各番組でSNSは積極的に活用しています。
『ぐるナイ・ゴチになります』『行列のできる法律相談所』『踊る!さんま御殿』『伊東家の食卓』など、これまで数多くの人気バラエティー番組を手がける。企画・総合演出・プロデュースした『¥マネーの虎』は海外へフォーマット販売し、現在世界184の国と地域で放送中。アメリカ版『SHARK TANK』(ABC)は【エミー賞】のリアリティ番組部門で「最優秀作品賞」を5回受賞。日本のテレビ業界ではレッドカーペットを歩いた、唯一の日本人クリエイターである。現在、日本テレビの全コンテンツのYouTube/SNSの戦略アドバイザリー業務を担当する演出・プロデューサー。
ただ、実際には番組ごとにファン層も違えば、KPIや環境も全く違います。そのため、どのSNSを活用するかは基本的に番組側の意向を優先しています。大事なのは、最終的にコンテンツを見てもらうことですから。たとえば、TikTokアカウントを開設していない番組でも「特番の時だけ日本テレビの公式TikTokアカウントを活用する」など、柔軟に対応しています。
