フルファネル設計×人流データ 各媒体を活かす位置づけは?
――改めて、今回のキャンペーンにおけるフルファネルのメディアプランニング全体像を教えてください。
友住:「DISCOVER BMW CAMPAIGN」はエントリーモデル(1・2・3シリーズ、X1・X2・X3)にフォーカスした全国統一フェアです。新型モデルのローンチではなく、BMWをまだよく知らない層にも広く知っていただくことを目的に、間口を広く設定しました。認知獲得とディーラー来場の双方をKPIに置いています。
坂田:メディア構成は、ファネルのトップにはテレビ・DOOHを置いて認知・リーチを獲得し、ミドルにはSpotify・ラジオ・ゴルフカートビジョンを活用して興味喚起を行い、ボトムにはディスプレイ広告などで購買意向層の刈り取り施策を配置しました。
ミドルを「興味」の段階と定義したとき、自分時間を楽しんでいるシチュエーションでアプローチできる媒体が重要です。Spotifyはドライブ中の方への訴求にも適しており、まさにそれに当てはまる媒体だと考えました。
――ターゲティングに人流データを導入したとのことですが、具体的にどのような層を狙ったのでしょうか。
友住:unerryの人流データを活用し、輸入車ディーラーなど自動車関連施設への来訪履歴を持つ高関心層を抽出しました。そのデータをターゲティングに活用。その他OOHやボトムの各媒体でもカスタムターゲティング配信を実施しました。
データが証明したSpotifyの「送客力」
――来店効果を可視化してみて、Spotify広告ではどのような成果が確かめられましたか。
友住:Spotify広告は来店率、来店数、コスト効率のいずれも良い結果が出ました。高関心層ターゲティング配信は思っていた以上に効果があり、フルファネルで実施した他のメディアと比較しても手応えのある数値でした。
坂田:高関心層ターゲティング配信の来店率は7.92%で、広告非接触者の来店リフトは+6.26%でした。これは通常配信の来店率2.08%・リフト+0.38%と比べると大きな差があります。来店をKPIとした場合、本ターゲティングとリード獲得を目的とした通常配信を比較すると、来店単価は約15分の1まで低減しており、ターゲティング精度の高さが効率的なディーラー来店に直結した結果といえます。また、接触後10日以内に70%以上のお客様が来店されており、購買検討が進んだ層への訴求が奏功したとみています。
――デモグラフィックの面で他媒体との差異はどう表れていたのでしょうか?
坂田:他のすべての媒体で来店者のボリュームゾーンが男性50代だったのに対し、Spotifyのみ女性50代が最多となりました。
友住:プレミアム自動車の検討者における女性の比率は、自動車購入検討者全体よりは低いながらも、購入時の約2割は女性が意思決定をしており、女性の行動変容も注視しています。今回Spotifyで女性含有率が高く出たことは、狙っていたわけではないのですが、とても嬉しい結果でした。
村上:視覚メディアの場合、クリエイティブからフォルムの良さ、動きによる力強さなどは表現しやすく、特にメインターゲット層が男性の商材ならどうしても男性に響きやすい表現になりがちです。一方、音声は視覚情報がないためによりフラットに届けられ、自分ごと化もしやすい。音楽の合間にふと聞いたメッセージだからこそ、BMWを自分に近しいブランドと感じてもらいやすい特性があったのではないかと考えています。

