セミナーの目的や企画が本来の獲得目標とズレていないか?
ではそのセミナーだが、具体的にはどのように考えていったらよいのだろうか。実際、「セミナーで困っていること」を各企業のマーケティング担当者に尋ねると、トップ項目に「集客の方法もわからないし、運営も手が回らない」といった悩みが挙がる。ほとんどの担当者は、こうした初歩的なところで既に足踏みをしているのだ。
「ここで注目して欲しいのは、そもそもどう集めるかといった問題以前に、セミナーの目的や企画が本来の獲得目標とズレていて、しかもそれに気づいていないというケースが少なくない事実です。多くの担当者は『新規客獲得のためにセミナーを催す』と考えていますが、それは間違いです。全然その会社を知らない人が、最初からわざわざお金と時間を使ってまでセミナーに足を運ぶでしょうか?」
中村氏は、まったく知らない状態から少し関心を持った段階、さらにその先へと、相手の成熟度に合わせて訴求内容や獲得目標を変えながら、その時そのときに最適のコンテンツを当てていかなければ、当然人も集まらないし出席者の心にも響かないと強調する。
「新規見込み客獲得が目的ならば、講演会やコンファレンスなど大きな網で集めて囲い込む。そこでつかんだ見込み客のフォローには、もう少し絞り込んでコミュニケーションできる商品説明会やデモ、事例紹介。成約後はユーザー会やトレーニングで既存客のフォローといった、ステータスに応じたイベントを提供していくことが肝心です」
体系的な情報や知識を提供する「アカデミータイプ」セミナー
また現在のセミナーのトレンドの1つに、中村氏は「アカデミータイプ」があるという。
「今はインターネットで何でも分かると思いがちですが、実際には断片的な情報ばかり。もっと体系的な情報や知識をビジネスパーソンは求めています。マーケティングや情報セキュリティなど、自社の専門性を活かしてセミナーのブランディングを計るのもよいでしょう。当社でも『セミナーマーケティング基礎講座』というのを継続的に開催して、お客様の教育と自社ブランドのアピールに役立てています」
最後に中村氏は、「セミナーの運営方法を学校で習ったという人はいない。誰もが悩みながら試行錯誤を繰り返し、その結果いまだにアナログで非効率的な現場で苦しんでいます。告知メール1つをとっても手作業などの雑務に追われ、肝心の企画に集中できない。そうした方々に、当社ではセミナー運営の自動化と標準化をもたらし、付加価値の高いセミナー企画を可能にするASPツール『Sm@rtSeminar 2.0』を提供しています。ぜひ一度当社セミナーに参加して、悩みを相談してもらいたい」とアピールした。
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