モバイルリスティングもメディアミックスが必要
次に、モバイルSEMに欠かせない、リスティング広告の現状について聞いた。ます、PCとモバイルの傾向の違いについて、窪島氏は「そもそもモバイルの場合は、商品性を持ったページが多く、またキャリア別のセグメントもできることもあってか、CPAの指標がPC以上に重要視されている。つまり、出稿してすぐに効果を求めてくる場合が多いです」と述べる。
商品を売るには、まず認知が必要で、PCのリスティング広告の場合、前段にテレビCMや電車の中吊りなどの交通広告で周知して、検索で刈り取るといった流れができている。しかし、モバイルの場合は、こうしたメディアミックスの施策はまだまだ少ない。窪島氏は「キャリア公式サイトなら、キャリアが用意したメニューから行けるのですが、勝手サイトの場合はプロモーションが必須となる。しかし、モバイルはPCと比較すると、メディアミックスの仕掛けが遅れている状況だと思います」
モバイルサイトはまだまだキャンペーンサイトの一環
続いて、山田氏は「モバイルの場合は、各企業がコーポレートサイトを用意していないのが特徴的です。2008年4月に、NTTドコモのiメニューに企業向けカテゴリができたことで、今後はコーポレートサイトを各社意識されて構築されていくと感じていますが、現状はやはりキャンペーンサイト、サービスサイトの枠組みを出ていません。また、キャリア公式サイトと勝手サイトの壁もあります。さらに、リスティング広告でいえば、テレビCMや雑誌広告に『○○で検索』といったメッセージがあっても、ユーザーに1番身近な端末であるモバイルで検索すると何もなかったりします。特にマンションなど、一生モノの商材などはこうした傾向にあります」とモバイルサイトの特徴と広告の現状について補足した。


こうした状況を踏まえると、今後はしっかりとしたランディングページやコーポレートサイトを作ったうえで、戦略的なリスティング広告の施策をしていくべきというのが両氏の見解だ。そのため、同社では、広告代理店と協力し、複合的な広告プランを提案する場合もあるという。
提携サイトにも独自性ユーザー属性のバランスが大事
同社が手がけるリスティング広告、JアドリスティングモバイルONEの場合では、広告配信媒体として、大手ポータルサイトのほかに、動画や画像検索の利用が多い「FILESEEK」や、旅行のクチコミサイト「フォートラベル」、イラストコミュニティサイト「pixiv」、商品検索サイト「QOOPIE」など専門的なサイトとも積極的に提携している。

提携パートナー一覧(順不同)(2008年12月現在)
- ケータイlivedoor
- au one
- フォートラベル
- ケータイBIGLOBE
- 人気ブログランキング
- QOOPIE.mobi
- mobile@nifty
- MyTube
- pixiv
- Ask.jpモバイル
- BBS7.COM
- FILESEEK
- R25式モバイル
- L25mobile
- ビタミンケータイ
- テモ
- ツールズランク
この理由について窪島氏は「一般的にリスティング広告はロングテール部分のユーザーにも届くといわれていますが、そうはいっても、専門サイトに比べると限られた範囲にしかリーチできないと考えています。やはり専門的なキーワードになればなるほど、配信するパイが小さくなりますので、そういった部分を補完する意味で、専門性の高いサイトと提携しています。大手ポータルとの提携も含め、全体としての価値を高めることを意識してパートナー開発を行っています」と説明した。
