ホスト名がわからないこともある
なかにはホスト名がつけられていない、IPアドレスも存在しています。これはすでに述べたように、コンピュータが実際のやり取りに使うのはあくまでIPアドレスであり、ホスト名は人間がそのIPアドレスを管理しやすいようにつけた別名に過ぎないからです。
ホスト名を名づけるのは、それぞれのIPを実際に管理している管理者です。たとえば「○○.tsukuba.ac.jp」というホスト名であれば、筑波大学のネットワークを管理している管理者が、コンピュータの管理を行うために名前をつけています。しかしもし、どこかの組織でIPアドレスを管理している管理者が、そのアドレスに名前をふっていなかったり、もしくはその情報を外部に公開していなければ、IPアドレスからホスト名に変換することはできません。

また、一つのIPアドレスに複数のホスト名が割り振られていたり、逆にひとつのホスト名が複数のIPアドレスにつけられていたりすることもあります。ホスト名はコンピュータの役割ごとにつけられる場合が多いので、ひとつのコンピュータが複数の仕事(たとえばWebサーバとメールサーバなど)を行っている場合に、それぞれの仕事用の名前を付けたりします。逆に同じ仕事をしているコンピュータを複数用意している場合は、同じホスト名をそれら複数のコンピュータのIPアドレスに割り当てることがあるのです。

ちなみに、アクセスのログはIPアドレスとして記録されていることが多いため、アクセス解析でホスト名を利用するためには、解析の際に変換をかけなければいけません。この変換の作業は時間がかかります。そのためログ解析ツールによっては、このIPアドレスからホスト名への変換をおこなわない、という設定が可能なものもあります。