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日本の商慣習に最適化したSEM運用支援ツール「アドエビスAutoBid」

 リスティング広告を活用したSEM市場は、不況の中でも堅調に推移しているが、その効果測定や入札の仕組みの進化に伴い、運用業務も高度化しているのが現状だ。広告効果測定システム「アドエビス」を提供する株式会社ロックオンは、そのニーズを受けリスティング広告の入札を自動化するツール「アドエビスAutoBid」を2月に正式リリース。株式会社ロックオンの岩田進氏に、同ツールの狙いや今後の展望について聞いた。

日本と海外との商慣習の違い

 「アドエビス AutoBid」(以下、AutoBid)は、オーバーチュアやグーグルが提供する検索連動型広告の入札を自動化する支援ツール。2008年12月からモニターサービスとして提供したものに、モニターからの要望を実装し、2009年2月20日から正式に提供を開始した。

 AutoBid提供の背景についてい岩田氏に聞くと「国内のリスティング広告市場が、2008年度には1,500億を超え、インターネット広告市場の30%近くまで成長しています。しかし、アメリカでは40%、イギリスでは55%を超えると言われ、海外に比べると低い割合にとどまっている。この要因のひとつには、SEMの自動入札・最適化ツールにあるのではないか」と指摘する。

 一方、数年前から海外のSEMの自動入札・最適化ツールは出回っているものの、過去の例では日本市場に定着していない。その理由は日本の商習慣とツールのミスマッチにあると岩田氏は説く。

 「アメリカの場合、国土が広いためか、広告主が直接広告をバイイングすることが多い。このため自動化ツールは広告主をメインターゲットとしています。日本の場合は、広告代理店が発達しており、彼らが広告を一元管理するケースが多く、広告主の自動入札ツールに対するニーズは高いとは言えない。

 AutoBid提供の背景についてい岩田氏に聞くと「国内のリスティング広告市場が、2008年度には1,500億を超え、インターネット広告市場の30%近くまで成長しています。しかし、アメリカでは40%、イギリスでは55%を超えると言われ、海外に比べると低い割合にとどまっている。この要因のひとつには、SEMの自動入札・最適化ツールにあるのではないか」と指摘する。

 一方、数年前から海外のSEMの自動入札・最適化ツールは出回っているものの、過去の例では日本市場に定着していない。その理由は日本の商習慣とツールのミスマッチにあると岩田氏は説く。

 「アメリカの場合、国土が広いためか、広告主が直接広告をバイイングすることが多い。このため自動化ツールは広告主をメインターゲットとしています。日本の場合は、広告代理店が発達しており、彼らが広告を一元管理するケースが多く、広告主の自動入札ツールに対するニーズは高いとは言えない。

 代理店の業務は、リスティング広告の市場が激化するに伴い複雑化し、代理店業務の効率化が求められてきている。例えば、予算30万円で代理店手数料率が20%とすると、代理店の収入は6万円です。代理店の担当者が行う、広告のプランニング、金額調整、レポート提出、請求といった一連の業務をこの金額でまかなうのはかなり厳しくなってきている。その結果、自動化ツールに対してのニーズは高まってきていると思います

商習慣に合わせた設計

 海外では、最適化サービスが代理店事業も兼ねている場合もあり、利用料が広告代金の6%~8%程度でも利用されている。日本の場合、代理店が商習慣である手数料20%に加えてさらにツールの利用料6%~8%を上乗せするという提案は現実的ではない。

 またポートフォリオ型最適化ツールの場合、ツールが掲載順位を変更を判断したり広告をストップさせたりする。これがツールを利用するメリットでもあるのだが、広告主から「あれ、いつの間にか止まっているよ」「掲載順位が勝手に変わっている…」といったクレームや質問を広告代理店が受けるケースも多いようだ。このようなミスマッチを防ぐ意味でAutoBidは、日本の広告代理店をメインターゲットとしたツールとして開発されている。

広告代理店向けに配慮した機能とは

 では、AutoBidが広告代理店に対して配慮した点はどんなところなのだろうか。

 「まず、ルールベース型であることです。ポートフォリオ型ですと、先ほど説明したように『いつの間にか止まっている』といった、説明責任が果たせない事態が起こる可能性があります。次に導入コストも抑えました。そして、もう1つが予算管理の充実です。広告主が出稿する場合、多少金額が超えてもあまり問題になりませんが、代理店さんが管理する場合は、預かっている金額を超えてしまうと補填してもらう必要があり、足りない場合は、本来請求する金額がもらえないといった問題が生じます。ですから、オーバーもせずショートもせず、できるだけぴったりと抑え、かつ予算の中でパフォーマンスを最大化する機能設計は必要であると考え作りました」と岩田氏は解説した。

 例えば、広告予算が月間30万円の場合、1日平均の予算は1万円となる。 1日目に8000円使ったとすると、残りは29万2000円となるが、これを残りの29日で割ることで、1日の平均予算を変更する。日々の予算は少し足りないくらいで消化し、残りの日数で日ごとの予算額を変更していき、最終的には帳尻をあわせる設計となっているのだ。

代理店ニーズを吸い上げ機能を充実させていく

 AutoBidは現在のところ、同社の効果測定システム「アドエビス」とは連携しておらず、独立したツールとなっている。この理由についても広告代理店への配慮にあると岩田氏は説明する。

 「アドエビスを利用する場合、広告入稿するときに、広告のURLをアドエビスのものにしていただく必要があります。これは、効果測定を行うためにいったんアドエビスのサーバに行ってカウントするためです。AutoBid導入の際に広告をアドエビスのURLに差し替えるとなると、一時的に広告がストップしたり、品質に影響があります。このため差し替えは代理店さんの一存ではできず、必ず広告主への確認が必要となります。そういった意味でも代理店さんが単独で変更できるよう、導入のハードルを下げています。効果測定データは、媒体のトラッキングデータを活用しています」

 もちろん今後は、アドエビスとの連携も視野に入れているというが、例えばレポーティングの自動化など、代理店のニーズに適合する機能を優先してバージョンアップさせていく。

 また、リリース後の代理店側の反応は「景気の悪化とともに、費用対効果に対するニーズが高まったので『AutoBid』に期待している、という声を多くいただきました」(岩田氏)とのことだ。

アドエビスを皮きりにクロスセルを狙っていく

 最後に、ROIが厳しくなっている状況下での、同社の事業について尋ねると「アドエビスに関しては景気が悪化によるプラス面とマイナス面があります。おかげさまで申し込みは増えていて、かなり追い風になっています。しかし、アドエビスは、クリックに対してチャージするのですが、クリック数自体が減っています。効果が出るところだけに広告を出すので、全体的に広告金額が縮小しているのでしょう。

 ただ、アドエビスは、もともと導入のきっかけとなるためのサービスで、そのあとオプションサービスをクロスセルしていく戦略をとっているので、例えばログ解析といったのオプションを提供していければと考えています」と中長期的な展望から、今後の意気込みを語った。

 広告自動入札ツール「アドエビスAutoBid」の詳細はこちらから

 広告効果測定システム「アドエビス」の詳細はこちらへ

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

 就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・翻訳ツールなど...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/01/19 08:27 https://markezine.jp/article/detail/7140