データ活用に対するホンネ
3月下旬に行われた、MarkeZine Day Premium 2009はマーケティングROIの向上をテーマにユーザー側、サービス提供者側など、さまざまな立場からの講演が目白押しとなった。イベントのトリを務めたのは「現場担当者がホンネで語る、データ活用最前線」と題したパネルディスカッション。データベースマーケティングに先進的に取り組むHMVジャパンの清水俊明氏、ゴルフダイジェスト・オンラインの箕輪創氏、マイクロソフトの保坂隆太氏の3氏をパネラーに、電通レイザーフィッシュのアナリストである白井秀範氏をモデレーターとして迎え、データを活用したマーケティングの現場の状況について語った。この記事では、それぞれの質問についてパネラーのコメントをダイジェストご紹介していく。
データ分析をはじめたきっかけは3者3様
まず、Q1では「データ分析をしようと思ったきっかけ」を三者に聞いた。それぞれ異なる領域でビジネスを進める3社だけあって、データ分析をはじめたきっかけは3者3様のようだ。
保坂氏 私はもともとテクニカルサポート部門に在籍していたのですが、あるきっかけで異動した部門がマーケティング部門でした。そこで、データベースマーケティングマネージャーをやることになり、データ分析を始めたのがきっかけです。徐々に形になってきていますが、社内には多くのデータが散在しているため、これからが本格稼働といったところですね。
清水氏 HMVジャパンは全国に65店舗あり、10年前に立ち上げたeコマースの売り上げも順調に伸びています。そこで、ストアとECの相乗効果をだしていく方向性となり、まず現状を把握するために分析を始めました。
箕輪氏 ログ解析システムの導入は早い段階で進めてましたが、PVの把握をする程度という状況が2年ほど続ていました。2006年のはじめにデータ解析の専門部隊チームを作ることになり、それをきっかけに、ゴルフ場への集客ビジネスにデータを活用できないかと考えたのが分析を始めるきっかけです。はじめは、トラフィックの傾向分析を行いました。
まとめ
白井氏 アナリストという立場で多くの会社さんのデータ分析をお手伝いしていますが、一般的には、eコマースサイトなどのビジネスゴールを達成するための次の一手として分析を考える会社さんが多いですね。最初に行うのは、やはり現状把握が多いようです。(次ページへ続く)