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最適化で実現したHMVジャパンのOne to Oneマーケティング


 実店舗と、ここ10年で成長したECサイト。この両者のデータを串刺しで扱えるデータウェアハウス(DWH)を構築し、それぞれに最適なOne to Oneマーケティングを展開しようとしているHMVジャパン。同社のOne to Oneマーケティングの肝となっているのが、マーケティングオートメーションを実現するシステムだ。同社が構築したシステムと、その最適化によって実現している同社のOne to Oneマーケティングを紹介する。

月間8000万PV/会員350万人のサイトへ成長

 1990年、イギリスから日本に進出したHMVジャパン。現在では、全国に65店舗を構え、年間4000万人が来店するまでに成長している。一方、1999年にスタートしたeコマースサイトはWebとモバイル、2つのチャネルで展開され、月間8000万ページビュー、会員数350万人に及ぶまでに成長。この両者のデータを一元管理し、そこからそれぞれのチャネルに対する最適なOne to Oneマーケティングを行うという同社の戦略は、これからデータベースマーケティングに取り組もうとする企業にとって、非常に興味深い事例だ。

店舗とWeb、モバイルでは異なるマーケティングが必要

 “ダウンロード販売の増加”、“CDリリース数の減少”、“娯楽の分散”といった要因が重なり、'98年の6千億円市場をピークに右肩下がりのCD業界。その厳しい状況の中、One to Oneマーケティングによる売り上げ増を実現しているのがHMVジャパンだ。

 同社がCD販売を展開するのは、店舗とeコマース(PC向けWebとモバイル)である。チャネル別の成長を見ると、HMVの売上高全体が上昇する中でも、eコマースの売上高が占める割合が年々増えている。「今後も店舗とECの差は縮まり、いずれは半々になる見込み」だという青木氏。この成長の鍵を支えているのが、One to Oneマーケティングだ。メールを配信することでeコマースが成長し、店舗に比べて高い客単価を実現している。

 顧客構成は、実店舗、Web共に半数以上が男性会員。Webは実店舗より男性会員の比率が上がり、携帯電話から利用するモバイルサイトは、実店舗やPC向けWebと男女比が逆転し、女性が半数以上を占める。この3つのチャネルを併用している人は相当数いるが、かたや多くの人がいずれかのチャネルでのみ買い物をしているため、「店舗は店舗、WebはWeb、それぞれに異なるマーケティングが必要」だと青木氏は言う。

執行役員マーケティング本部長 青木洋平氏
執行役員マーケティング本部長 青木洋平氏

有効会員データの収集から始まり、現在は最適化の段階

 「顧客リレーションに成功している企業は、マスマーケティングから顧客ごとに最適化されたマーケティングにシフトしている」と指摘する青木氏。そのHMVジャパンが、CRM推進部を設立したのは2007年1月であり、CRM推進部は「CRMのフレームワーク確立」と「マーケティングROIの最大化」という2つのミッションを与えられた。

 これらのミッションを実現するため、2007年のCRM推進部発足直後にまず行ったのは店舗とECのポイント共通化だ。

 Phase1でポイント共通化を行い、有効会員データを収集して分析に基づくマーケティングを展開する基礎を築いていった。Phase2となる2008年には、登録前提のメンバーズカードに刷新し、DWH(データウェアハウス)と分析環境を整備した。

 現在はPhase3の、One to Oneマーケティングの【最適化段階】にある。店舗にあるKIOSK端末やメールマガジン、Webやモバイルの各チャネルで、各種分析に基づいた顧客ごとのパーソナライズ、最適化されたコミュニケーションを目指して日々検討が重ねられている。「今まさに、分析を元に効率的なコンテンツ、配信頻度、タイミングを最適化している段階」と青木氏。

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この記事の著者

田中 裕子(タナカ ユウコ)

フリーライター。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/11/06 17:33 https://markezine.jp/article/detail/7342

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