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MarkeZineメールマーケティング特集

マルキューメールは正午に届く!
SHIBUYA109公式通販サイト「SHIBUYA109 NET SHOP」のメールテクニック


毎週350アイテムをアップ! 驚異的な更新頻度

 着実にユーザー数、売上げを伸ばしているSHIBUYA109NET SHOP。これだけの効果が得られているのは、なにも人気ショップが出店しているからだけではない。ユーザーニーズを汲み取ったマーケティングがその背景で力を発揮している。

 その1つがサイトの更新頻度。流行の発信地であるSHIBUYA109は商品の回転が速いことで有名だが、109NET SHOPでもほぼ店頭と同時に商品をアップしている。多いときには週350アイテムもの更新を行っているという。

「各アイテムの裏表、ディティールも撮影してアップしていますが、これがなかなか大変な作業で(笑)。1アイテムでも、カラーバリエーションがあれば、それも撮りますから、実際は商品数の何倍もの画像をアップしています」

 また、SHIBUYA109 MEMBER’S CARDでの10%offキャンペーンや配送料無料クーポンの展開など、販促企画にも力を入れている。

「販促企画に合わせて、流行のアイテムや人気ショップの新作などを揃えるようにしています。最近の例だと、今年のゴールデンウィークは旅行など外に出かける方が多いと睨み、その時に着るためのアイテムをお得なセットでゴールデンウィーク前に販売するようにしました。この不景気ということもあり、なかなか買い物をする雰囲気ではないかもしれませんが、Webでのちょっとした買い物ならいいのでは、という潜在的なニーズはあるのかもしれません」

メルマガのポイントは毎日正午の定時配信

 こうしたサイトの更新頻度もさることながら、ユーザーの購買意欲に火をつけているのが、会員向けの無料メールマガジンである「SHIBUYA109 NET SHOPメールマガジン」。ポイントは毎日休むことなく、正午に配信していることだ。

「109 NET のメールマガジンは、平日だけでなく土日祝日も含めて、毎日正午に配信しています。正午に配信しているのは、OLさんも学生さんも昼休みで、メールをご覧いただける確率が上がるだろうと考えたからです。109 NET に出店している各ショップの情報をうまく散りばめながら、毎日新着アイテムを画像つきで紹介しています。もちろん、それだけではお客様にも飽きられてしまうので、月曜日には先週の人気アイテムランキング、水曜日にはショップスタッフがお勧めコーディネイトを紹介する特集を組むなど、曜日ごとにコンテンツに特徴を持たせるようにしています」

ターゲットに刺さるクリエイティブは職人技

 メルマガの構成にも工夫を凝らしている。タイトルには人気のショップ名や流行商品の名称を入れるなど、メールを開いてもらえるように配慮。タイトルの文字数には限りがあるため、あえて「109」といった単語は入れていない。その代わりにメルマガのトップに「SHIBUYA109」のロゴを見えやすく配置し、メールを開くとすぐに109からのメルマガだと分かるようにしている。

 また、ファーストビューには必ず商品画像を掲載するようにしているほか、コンテンツ下段には「新作を全部見る」「特集の全商品を見る」といったリンクを作成し、ユーザーが少ないクリック数で目的のコンテンツに辿り着けるよう工夫しているという。メルマガに掲載される文章は、メインユーザーと年代が近い女性スタッフ(メンズは男性スタッフ)が作成。シンプルで感覚に訴えやすい内容にしている。

 「絵文字の配置や記号の使い方などは職人芸のようなもので、決してマネできるようなことではありません。一時期、私も担当することがあったのですが、女性スタッフの文章を参考に、必死になって作りましたから(笑)」

SHIBUYA109 NET SHOPのメールマガジン。商品画像のクリック率はテキストリンクより遥かに高い。また、曜日ごとにコンテンツを変えるなど、単なる新着情報メールにならないよう工夫も凝らしている
SHIBUYA109 NET SHOPのメールマガジン。商品画像のクリック率はテキストリンクより遥かに高い。また、曜日ごとにコンテンツを変えるなど、単なる新着情報メールにならないよう工夫も凝らしている

 こうした工夫を凝らしつつ、配信時間を絞った定時メールにすることで、サイトへのアクセス数、商品の購入数が格段に伸びたという。不定期に配信していた頃は、メールを配信した日が売上げのピークになり、その後は減少するというサイクルになっていたが、徐々に配信日数を増やし毎日配信するようになってからは、売上げの波もなくなった。

「メルマガを毎日配信するようになったからといって、退会者が増えたということもありません。SHIBUYA109のような、ある意味目的性の高いサイトなら、毎日メールが来ても鬱陶しくなく、サイトにもアクセスして良いと判断していただいているのかなと考えています。それに配信される時間も正午で定着しているので、お客様にしても『そろそろ来る』という楽しみもあるのかもしれません。ですから、今のところ配信時間を変えることは考えていません」

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アクセスが押し寄せる号外メール

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この記事の著者

大正谷 成晴(オショウダニ シゲハル)

1973年生まれ。フリーランスライター・エディター。2001年よりビジネス誌を中心に活動を開始。現在に至る。趣味はサイクリング、料理、投資。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/11/29 12:57 https://markezine.jp/article/detail/7237

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