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ホリスティック・マーケティング入門 ~PGMから始めるWOMマーケティング~

第3回 ホリスティック・マーケティング実践例(2) マリエール・Wii・漢検DSのプロモーション戦略


 筆者も受けたのですが、恥ずかしながら100点満点中、35点でした。

 ホリスティックというと、テレビCMとの連動にばかり目が行きがちですが、実際には他のメディアや、こうしたリアルイベントとの連動も有効だと思います。

 今回は主催者側の知人を中心に人を集めましたが、今後はもっとハウスリスト(Web会員など、名前とメールアドレスなどを所持している顧客リスト)を活用することで、より効果が得られるのではないでしょうか。

 このハウスリストというのは非常に重要になってくると思います。ホリスティック・マーケティング、PGMを考えると、それはCRMの領域にかなり近いことに気づきます。自社の一番のファンはすでにあなたのそばにいるのですから、これまでにコンタクトをした方々とのコミュニケーションこそ、もう一度見直してみましょう。

ブログでデモ版が11万回もプレイされた

 さて、話を戻しますが、こうしたリアルな展開を進める一方で、公式サイトではブログパーツを配布しました。このブログパーツにはかなり工夫を凝らしています。実際に見ていただきたいのですが、ゲームのデモを遊ぶことができるのです。

 ゲームの結果は「あなたは何級」といった証明書が発行される仕掛けになっており、それもブログに貼り付けることができます。これも冒頭で紹介したマリエール東海と同じように「Share」の支援を意識しています。ブログパーツの貼り付けは多くの企業が取り組んではいるものの、数百程度しか貼り付けられないことが多いようです。

 NHKが提供した時計のパーツは異例の1万個以上の貼り付けがあったようですが、ほとんどの企業では1,000個を越えるのも難しい状況です。その中、今回の「漢検DS」のブログパーツは8,000個以上の貼り付けがありました。

 さらにサンプリング効果としても、かなりの効果がありました。実際にこのブログパーツでゲームのデモ版をプレイした回数が11万回を越えています。

 これだけの回数を店頭でタッチアンドトライしていただくのは相当大変ですが、インターネットであれば多くのブロガーの協力を得ることで実現可能なのです。わずか2カ月足らずで、これだけの広がりを見せることこそが、まさにPGMの効果だと言えます。

 タイトなスケジュールだったこともあり、コミュニケーション・プランニングとしてはもう少しやりたかった部分もあるのですが、ひとつのケースとして参考になればと思います。また、今回の経験を踏まえての改善案などは、本連載や筆者が主催するWOM勉強会などで公開していきたいと思います。

 なお、ブログパーツを使ったネットマーケティングに関しては、WOM勉強会でプレゼンテーションが過去にあったのでご紹介しておきます。

 それでは今回はこのへんで。次回は、WOM勉強会でホットな話題になっているブログPR広告について、まとめてみようと思います。

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この記事の著者

河野 武(コウノ タケシ)

1974年7月3日生まれ。立命館大学経済学部卒。コミュニケーション・デザイナー。マーケター。企画屋。
1997年、ニフティ入社。2001年にニフティ退職後、フリーターとして数年過ごし、2004年から2005年までオンライン書店ビーケーワンの専務取締役兼COOを務める。ECサイト初となるトラックバックを導入し、また「入荷お知ら...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/02/09 17:57 https://markezine.jp/article/detail/728

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