課題4:運用が思ったより大変で工数が足りない(足りなくなりそう)
今まで話した内容は主に、アクセス解析の浸透や活用に対しての課題でした。導入後にもう1つ、気にしなければいかないことがあります。それは運用です。アクセス解析を導入した後、教育以外に以下のような運用が発生いたします。
- 問い合わせ対応
- ユーザーID・パスワードの発行・変更
- トラブル対応(ベンダーやサイト担当者とのやりとり)
- 社内および社外連絡フローの確立
- ベンダー調整(人確保のお願い・ディスカウント交渉・SLAの見直し)
- ベンダーリソースと社内リソースの工数確保と調整
- マニュアル作成とアップデート
- 問い合わせをまとめFAQ化
- 導入スケジュールの各サイトとの調整
- 各サイトのPV読み及びヒアリング
サイト数が増えれば増えるほど大変なものもあります。ベンダーや代理店任せにできる部分も若干ありますが、会社のサイト設計や体制に依存する部分は自分達で対応せざるを得なかったりします。また、単純に問い合わせの数が増えてくるとベンダーだけでは(コスト的にも、先方のリソース的にも)まかなえなくなります。また、ベンダーに任せる事のリスクとして、知という資産が社内に貯まらないという課題もあります。
上記のような運用をどの部署がどれくらいの工数をかけて行うのか? 無料アクセス解析サービスを導入した段階で見積もりを立てておく必要があるでしょう。
課題と影響をまとめておこう
以上、「あなたの会社はアクセス解析サービスを使いこなせる体制になっているのか?」ということを判断するにあたり、直面する4つの課題を紹介してきました。まずは、それら課題をちゃんとまとめておきましょう。解決方法が考えられる物に関しては、あわせて記入をしておきましょう。ヒアリング手法に関しては第5回の連載で紹介いたします。
課題 | 影響 | 解決方法 | 有料サービスで対応可能? |
---|---|---|---|
電話サポートがない | オンラインヘルプがよく分からない。その結果分析を諦めたことも。また勝手な想定で数字を定義したりている。 | 電話サポートやFAQサイトが欲しい | |
会員データとの紐付けができない | 性別や年代ごとの最適化ができず、集客に無駄にコストがかかっている | アクセス解析サービスで会員IDを取得し、後で属性データをツールに取り込む | |
レスポンスが遅い | モニタリングはできるが分析のような複雑なレポートを出そうとするとタイムアウトする。分析ができない。 | 月間1億PV/月でも、ちゃんとレポートが取得できるようなサービスを選ぶ |
改めて書きますが、この時点で課題を解決する必要はありません。どういう課題があるか、それを理解しておくことが大切です。これが後々の解決および、有料アクセス解析サービスの選定に活きてくるのです。
次回は導入目的の残り2つの紹介と、それにあわせて「有料アクセス解析サービス」のメリットをご紹介いたします。
第3回は6月30日に公開します。お楽しみに!