マーケティングに活かすTwitter
さて、そんなTwitterをマーケティングに使わない手はない。先回書いた、ソーシャルショッピングでもすでに様々なスタイルでTwitterをクチコミツールとしてうまく取り込んでいる。
で、この原稿を書いてる最中(6月13日)に、あのDellがTwitterで結構な売り上げを達成したというタイムリーな話題が飛び込んできた。
2007年から新製品情報とクーポン券をつぶやき続けて、ついに300万ドル売り上げたんだそう。やるなぁ。
直近の6ヶ月でアウトレットがTwitter経由で100万ドル。実は、その前の18ヶ月で100万ドルだったから、最近いかにTwitterがパワーアップしているかがわかる。さらに、もう100万ドルはTwitter経由でアウトレットサイトに来て、そこからDell.com へ移動していった消費者からなんだそうで、もうTwitter様様という感じでしょうかね。
しかし、それも一朝一夕で成されたわけではなくて、2年かかってることに注目したい。それと、624,000人ものフォロワーがいることも。つまり、地道にフォロワーを増やす活動を続けてきたおかげで成果が上がっているわけで。
さらに感心なのは、販売後のフォローもきっちりTwitterでやってるところ。なんと、200人の従業員がTwitterで顧客と会話していて、苦情や要望にいちいち応えているそうな。進んでる。
例えば、Dell Mini 9 laptopのリターンキーとアポストロフィキーが近すぎるという苦情を聞きつけるや、Dell Mini 10.ではその問題を解決した。ついでに、次のモデルに関するアイデアもヒアリング中とか。
ほとんどのTwitterユーザーにはどうでもイイ話でも、Dellユーザーにとっては、そしてそれ以上にDellにとっては極めて重要な情報であったはず。
「顧客の生の声を聞いて問題解決するために、これ(Twitter)はとても役に立つフィードバック・フォーラムだ。ここをしっかり抑えておけば売上を逃すことなんてあり得ない」
とのことだけど、別にこれは大手企業に限った話ではない。
スモールビジネスにとっても、同じ環境が作れることを思えば、Twitterはメルマガやブログに代わって顧客とのリレーションシップをよりタイトにする格好のツールになる。なにしろ、メルマガはスパムに埋もれているし、ブログはRSSリーダーが意外と普及しないので手持ちぶさただし。
ただ、これがマスメディアに代わる媒体となるかというと、話がちょっと違うと思う。むしろ数千単位あるいは数百単位のネットユーザーを繋げるときにこそ真価を発揮するのではないかと。要は、「会話」できる距離感のフォロワーがまず必要なのだ。
ただし、彼らがReTweetすることでさらにその向こうにいる未知のネットユーザーに伝えられていくことを考えれば、その集客パワーは計り知れない。そう、すべては「人」つながりなのだからね。
ちなみに先のリポートによると、マーケッターとしてTwitterを利用しているユーザーのうち15%が2000人以上をフォローしているらしい。それぐらいのボリュームがなんとなくしっくりくる。
Twitter自身の収益モデルとして、認証済みのアカウントを有料で提供するというアイデアも浮上してきているけれども、こうした顧客との直接対話型のマーケティングに役立つなら費用対効果は大きいのではないかしら。(※アップデート:この原稿執筆後、ユーザー間での商品レコメンデーションに決済サービスを絡めるビジネスを準備中とリポートされた。こっちで書いてます)
しかし、ここまで来ると単なるひとつのコミュニケーションツールというよりも、もはや様々なコミュニティを実現して多様な価値を生み出すプラットフォームと言っていいかも。う~む、エライことになってきたゾ。
さて、おしまいに、自社のウェブサイトについてどんなつぶやきが交わされているのかが気になるなら、これを使ってみよう。
ConvoTrackのブックマークレットをブラウザにインストールしておいて、チェックしたいサイトを開いた状態でそのブックマークレットをクリックすると、画面の左にTwitterユーザーのつぶやき(とリンク)がタイムラインで表示される。ボクのこのコラムもリンクしてもらえるとウレシイな(とか、言ってみたり)。