広告主側の意見
一方、ライト・マネージド・サービスに運用を任せる広告主側の反応はどうだろうか? プルーブの顧客であるフーラクリエイティブジャパンは、リスティング広告の運用をライト・マネージド・サービスを使って実施している。
同社は結婚写真を撮影する会社。不況のため低予算で結婚式を行う方たちも増えている中、一生に一度の思い出を大切にし、たくさんの幸せな写真を残すというテーマでサイトを運営している。これまでは紙媒体を中心とした広告展開を行っていたが、最近になり、リスティング広告の利用を開始した。月間のリスティング広告の予算は30万円ほどだ。
広告運用について金城氏(写真左)は、「『ゼクシィ』などの紙媒体では、ある程度効果が得られますが、リアルタイムに、エリアを絞って広告を展開できるウェブ広告の方が利益率がよいことが最近わかってきました。Google AdWordsだけでしたらなんとか自社でやっていましたが、弊社の場合はYahoo!経由での訪問が多いためのが現状です。そこで、スポンサードサーチの出稿も検討し、松竹さんに相談したところ、今回の『ライト・マネージド・サービス』についての説明があり興味を持ちました。運用をお願いしようと思った決め手は、現状のスポンサードサーチは時間帯を指定した出稿が現状はできませんがライト・マネージド・サービスを利用することでできるようになるのことと、広告代理店へ支払う手数料が安くなる点ですね。このご時世なのでコストを安く抑えられるのは非常にありがたいです」。初期設定を入念に行いライト・マネージド・サービスでの運用をはじめてから、2週間以上経っているがまずまずの費用対効果をあげているという。
一方、フーラクリエイティブジャパンではさらに広告の効果を上げるため、時間帯やエリアの設定を細かく行い精度を上げていきたいなどのリクエストを松竹氏へだしている。
松竹氏は「広告主様からいただくリクエストについては、随時ロックオンさんにフィードバックをしています。別のリクエストとして最近では、複数の条件/アクションの設定をできるようにしてほしいとお願いしました。これは例えば、掲載順位が3位を下回ったときに、CPCを10%上げるのは、用意されたルールセットで設定できます。しかし、10%上げるといつのまにか1位になることもありますので、その際は逆に10%下げるなどしてより安定して運用できるルールがほしいと思ったのです」。
なお、このリクエストについてはすでに対応済みだという。「ユーザーの声をスピーディーの反映してくれる点はありがたいですね」と松竹氏は加えた。
自動化を利用することで手数料10%も可能
さらに松竹氏は、「冒頭でもお話をしましたが、手数料10%は厳しい予算の中でやりくりする広告主にとって大きなメリットとなります。例えば、広告出稿額が40万円の場合、20%ですと大体50万円、さらにアカウントの管理費が必要な代理店の場合は、OvertureとGoogleあわせて6万かかって、およそ56万円かかります。しかし、『ライト・マネージド・サービス』の場合、44万円で40万円分の広告が出せることになります。広告代理店の方の中では、なぜわざわざ10%にしなければならないのかと考える方もいるかもしれませんが、従来の発想にとらわれないでサービスを提案していこうことが、今後の広告代理店の使命だと考えております」と語る。
業界の商習慣にとらわれない新たな提案を可能とする、ライト・マネージド・サービス。テクノロジーの進化が止まることがない状況の中で次の一手を考えている広告代理店にとっては、一筋の光明となるかもしれない。