自動化で手間を省いて、手数料を削減
プルーブは、リスティングを中心とした広告代理店。リスティング広告を手がける広告代理店の場合、SEOやウェブ制作も含めたWebマーケティング全般の業務を行っているところが多いが、同社の場合はリスティングに特化した業務を行っている。
松竹氏(写真左)は「SEO対策は、ある日突然アルゴリズムが変わったりするので確実性が無い中、自分主導でできることとして考えたのが、リスティング広告です。実は私は元々自衛隊に勤めていたのですがその後、不動産専門のWeb制作会社に勤めリスティングを担当することになりました。最初はネットで本当に人を集められるのかと半信半疑でしたが、やる続けるうちに前年比240%という売上を出すことができたのです。この経験からリスティング広告に対して確かな手ごたえを感じ起業にいたりました」と創業のきっかけについて語る。
そこで、手作業でやっていては非常に手間のかかるリスティング広告の運用を仕組み化をしたいと考え、ロックオンのサービスの存在を知り相談をもちかけたという。
「自動入札管理ツール『アドエビスAutoBid』を活用したサービスである『ライト・マネージド・サービス』は、リスティング広告運用の新形態だと思います。消費広告料金の20%が広告代理店の手数料というのが通例ですが、大手の広告代理店の場合、その金額に加え、一律の管理料金を支払う必要があるところもあります。不景気になり、広告主が少しでも広告費を下げたい場合、手数料から削減したいと思うはずです。広告代理店側の手数料は、時間と手間代なのですが、そこを下げるための手段としては自動化です。そこで、『ライト・マネージド・サービス』で自動化を実現することで、手数料は下げるという提案を進めました」と語った。
初期設定は綿密に行う
前回の記事でも指摘したとおり、リスティング広告運用を広告代理店にお願いする際に時間をかけるのは初期設定となる。そのため、プローブでは運用の自動化の精度を高めるため、導入の初期段階で専用のヒアリングシートを広告主に記入してもらい綿密な計画を作成する。
「基本的な情報だけ聞いて『あとはお任せ下さい』というスタイルではなく、広告主の要望をなるべく吸い上げるためにシートでやりとりをさせていただいています。『ライト・マネージド・サービス』は、設定条件に『土日は予算を落としたい』『夜間に消費される広告は少なくしたい』などのビジネス・ルールを設定できますので、そういった情報もヒアリングして、一週間くらい時間をかけて初期設定を行い、初期設定費は10万円で、毎月の手数料は10%に抑えています。通例では20%の手数料が半分になる上、機能面が優れているのでお客様には喜んでいただいています」と利用感を述べる。
一方、ライト・マネージド・サービス導入前には他社ツールも検討していたという。その中で、ライト・マネージド・サービスを選んだ理由としては、「ほかのツールもいくつか検討しましたが、導入のためにコストがかかったり、またサポートがメールだけなど安心して使えるとは判断できませんでした。ツールの機能はもちろんですが、いざというときに対応してもらうためのサポート体制も重要だと思います。その点、ロックオンさんの場合は導入もしやすく、質問にもすく回答してもらえるので安心です。もちろん機能的にも問題はありません」と太鼓判を押す。
広告主側の意見
一方、ライト・マネージド・サービスに運用を任せる広告主側の反応はどうだろうか? プルーブの顧客であるフーラクリエイティブジャパンは、リスティング広告の運用をライト・マネージド・サービスを使って実施している。
同社は結婚写真を撮影する会社。不況のため低予算で結婚式を行う方たちも増えている中、一生に一度の思い出を大切にし、たくさんの幸せな写真を残すというテーマでサイトを運営している。これまでは紙媒体を中心とした広告展開を行っていたが、最近になり、リスティング広告の利用を開始した。月間のリスティング広告の予算は30万円ほどだ。
広告運用について金城氏(写真左)は、「『ゼクシィ』などの紙媒体では、ある程度効果が得られますが、リアルタイムに、エリアを絞って広告を展開できるウェブ広告の方が利益率がよいことが最近わかってきました。Google AdWordsだけでしたらなんとか自社でやっていましたが、弊社の場合はYahoo!経由での訪問が多いためのが現状です。そこで、スポンサードサーチの出稿も検討し、松竹さんに相談したところ、今回の『ライト・マネージド・サービス』についての説明があり興味を持ちました。運用をお願いしようと思った決め手は、現状のスポンサードサーチは時間帯を指定した出稿が現状はできませんがライト・マネージド・サービスを利用することでできるようになるのことと、広告代理店へ支払う手数料が安くなる点ですね。このご時世なのでコストを安く抑えられるのは非常にありがたいです」。初期設定を入念に行いライト・マネージド・サービスでの運用をはじめてから、2週間以上経っているがまずまずの費用対効果をあげているという。
一方、フーラクリエイティブジャパンではさらに広告の効果を上げるため、時間帯やエリアの設定を細かく行い精度を上げていきたいなどのリクエストを松竹氏へだしている。
松竹氏は「広告主様からいただくリクエストについては、随時ロックオンさんにフィードバックをしています。別のリクエストとして最近では、複数の条件/アクションの設定をできるようにしてほしいとお願いしました。これは例えば、掲載順位が3位を下回ったときに、CPCを10%上げるのは、用意されたルールセットで設定できます。しかし、10%上げるといつのまにか1位になることもありますので、その際は逆に10%下げるなどしてより安定して運用できるルールがほしいと思ったのです」。
なお、このリクエストについてはすでに対応済みだという。「ユーザーの声をスピーディーの反映してくれる点はありがたいですね」と松竹氏は加えた。
自動化を利用することで手数料10%も可能
さらに松竹氏は、「冒頭でもお話をしましたが、手数料10%は厳しい予算の中でやりくりする広告主にとって大きなメリットとなります。例えば、広告出稿額が40万円の場合、20%ですと大体50万円、さらにアカウントの管理費が必要な代理店の場合は、OvertureとGoogleあわせて6万かかって、およそ56万円かかります。しかし、『ライト・マネージド・サービス』の場合、44万円で40万円分の広告が出せることになります。広告代理店の方の中では、なぜわざわざ10%にしなければならないのかと考える方もいるかもしれませんが、従来の発想にとらわれないでサービスを提案していこうことが、今後の広告代理店の使命だと考えております」と語る。
業界の商習慣にとらわれない新たな提案を可能とする、ライト・マネージド・サービス。テクノロジーの進化が止まることがない状況の中で次の一手を考えている広告代理店にとっては、一筋の光明となるかもしれない。