優先度に続き難易度も設定しよう
3つの実装パターン
要件に対する優先度のつけ方は前回の記事で紹介しました。今回は難易度のつけ方を紹介いたします。こちらはベンダーや代理店と打ち合わせの場で確認することが確実です。打ち合わせが可能でなければ、社内のIT担当と協力したり、マニュアルを読み解いたりして難易度をつけていきましょう。
難易度は主に実装のパターンによって決まります。実装のパターンは、大きく分けて次の3つとなります。
- 通常の計測タグを入れ自動的に取得(例:流入キーワード・閲覧ページ)
- URLから取得(例:URLベースのグルーピングルール・特集IDや流入コードといったクエリーストリングの値)
- URLに入っていないけどHTML内に表出している情報から取得(例:商品の金額・色・購入者の属性情報)、あるいはPOSTパラメータの値
1.は難易度が低く、タグさえ入れてしまえば計測ができるはずです。仕様上取れることが分かれば、特に意識しなくても大丈夫でしょう。
2.は要件定義がどれくらいしっかりできているかによって工数や難易度が変わってきます。クエリーストリング(URLの”?”の後の値)はどの情報を取得したいかが分かっていればそれ程難易度は高くありません。しかしURLを元にしたグルーピングルールなどは、サイトのURL構造を見ながら判断していくため難易度が若干上がります。
3.は2.より難易度が高い場合が多いです。取得したい値をアクセス解析サービスで見るために、サイトのアプリ側あるいは計測タグに手を入れることになります。そのため、工数=コストと時間がかかります。この部分に関しては、絶対に取らないといけない要件がない限りは、初回の導入では見送ることをオススメします。
2つの判断軸
さて、難易度をつけることで、各項目に対して2つの判断軸ができました。「優先度(=重要度)」「難易度(=実装のしやすさ)」です。そしてその結果、各項目は4つの象限に分けることができます。前述の難易度に関しては1.と2.は難易度「低」、3.は難易度「高」に設定してよいかと思います。

A)優先度=高 難易度=低
実装するべき要件です。導入後はここの要件を集中的に確認、改善していく形になります。
B)優先度=高 難易度=高
悩ましい部分です。実装さえできてしまえば! と思ってしまいますが、まずはAを優先するべきでしょう。
C)優先度=低 難易度=低
通常のタグの範囲で計測できるので、勝手に取得できる場合が多いです。導入後に見てみると、思わぬ発見があるかもしれません。
D)優先度=低 難易度=高
まずは忘れてしまいましょう。将来的に優先度が上がってくるかもしれませんが、現時点では無視しても良いです。