SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

本気で活用したい人へ!ゼロからわかるアクセス解析導入・運用完全ガイド

IT担当者に求める3つの要件と知っておくべき10の事実
【リクルートのアクセス解析担当者が明かすノウハウ】

知っておいて欲しい10の事実(1)

 では次に、アクセス解析のタグを導入する上で知っておいて欲しい10個のポイントを紹介いたします。

筆者注

 Occam's Razor by Avinash Kaushikの「Web Analytics Technical Implementation Best Practices. (JavaScript Tags)」という記事を元に、筆者の判断で項目の追加・変更・削除を行っています。

 http://www.kaushik.net/avinash/2007/01/web-analytics-technical-implementation-best-practices-javascript-tags.html

すべてのページにタグを追加しよう

 当たり前かつ大切な事です。なぜならタグが入っていないページは計測されず、過去にさかのぼって再集計を行う事ができないためです。また、導入時にはこれが実現できたとしても、今後新しいコンテンツが追加されるたびに、タグを追加する事を忘れてはいけません。

 サイト内のルールとして、新しいページをアップする場合には、必ずタグが入っているようにしましょう。タグが入っているかをチェックするような簡易ツールを利用したり、開発したりして、定期的にチェックする事もオススメです。

タグはページの最後に追加しよう

 サイト内であれば、タグはどこにいれても計測をすることができます。しかし、オススメはページの最後(のなるべく近く)への設置です。その理由は2つあります。

 1つ目はユーザーがちゃんとページを開いてコンテンツが表示された時にPVを数えた方が、より実体にあっているからです。ページを開き始めた後にすぐに閉じてしまった場合はPVとして数えないために、ページ下部においておきましょう。

 2つ目はJavaScriptの記述が間違っていたり、送信先のサーバからレスポンスが帰ってこなかったりした場合の被害を最小限に食い止めるためです。ページ上部の方に記述をしておくと、その後に記述されているコンテンツが表示されなかったり、表示が遅かったりとユーザーに悪影響を与えてしまいます。これが原因で離脱率が増えてしまっては、元も子もありません。

アクセス解析ではページの単位が重要

 アクセス解析での分析の最小粒度は「ページ」単位です。この「ページ」をどのように定義するかが非常に重要です。商品の詳細ページを1つずつとるのか、まとめてとるのか。検索結果画面は検索軸(あるいは検索項目ごと)に別々のページとして認識させるのか、1つとして認識させるのか。通常はURL単位で設定しますのですが、ユニークなURLの定義にクエリーストリング(注)を含む・含まないを選択することもツールによってはできます。

筆者注

クエリーストリング:URLの「?」以降の部分に含まれる、文字列。パラメータ名とパラメータ値の組み合わせで作られる。cgiでの抽出表示条件などに使われる場合が多い。

 A)http://test.com/search.cgi?area=a&size=b

 B)http://test.com/search.cgi?area=a&size=c

 クエリーストリングを見ない場合、A)とB)は同じページとして認識されます。しかし、ユニークなURLの定義に「size」というパラメータ名も含めると、size=bとsize=cで値が違うので、別のURLとして認識されます。

 どこまで細かく取得するか、そしてどこまで細かく取得できるかが、マーケティング担当者・IT担当者の双方の認識の理解が必要な部分になります。

 なお、POSTパラメータに関しても取得、あるいはURLの一部として設定する事もできますが、アプリの改修を含むケースが多く工数の増える事が多いです。最初の実装では、どうしても必要という事でなければ要件として外した方がよいでしょう。

アクセス解析ではCookieを使用している

 アクセス解析は3つの情報を集めています。それはソース情報(どこから来たか)・ページ情報(どういう情報をどれくらいの頻度で見ているか)・ユーザー情報(ログインの有無・前回のサイト訪問日・累計訪問回数・ユーザー識別番号などなど)の3つです。

 この中のユーザー情報に関しては、アクセス解析ツールの独自クッキーが発行されています。Cookieに関するルールやポリシーなど、サイトによってはあるかと思うので、その確認や利用規約への反映などを忘れないようにしましょう。

リダイレクトは気をつける必要がある。

 SEO対策のため、動的なURLを静的なURLにしたり、前回の流入時の情報や流入元によって、ランディングページを変えたり、サイトやユーザーのためにリダイレクトを使うサイトが増えてきます。しかし、このリダイレクトと(タグ型の)アクセス解析は相性が悪かったりします。

 リダイレクトをかけて、本来別々のURLが1つのURLにまとめられてしまうと、URLでページを判別している場合はすべて同じURLとして計測されてしまいます。

筆者注

 リダイレクト前のURLはタグ型のアクセス解析では計測できない場合がほとんどです。

 外部流入時のリダイレクトに関しても、301転送をしていない場合(0秒でのMETA REFRESHなど)は、リダイレクト先で流入時のリファラーや検索キーワードが取得できなくなってしまいます。また、広告コードをURLにつけて入稿している場合、リダイレクト時にそのパラメータを引き継ぐように忘れないでください。

次のページ
知っておいて欲しい10の事実(2)

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
本気で活用したい人へ!ゼロからわかるアクセス解析導入・運用完全ガイド連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

小川 卓(オガワ タク)

ウェブアナリストとして、マイクロソフト、ウェブマネー、リクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパンで勤務。2015年にフリーランスとなり、UNCOVER TRUTHのCAO(Chief Analytics Officer)に就任。フリーランスでは、コンサルティング、勉強会、執筆などで活躍している。主な著書は『...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2009/09/01 11:00 https://markezine.jp/article/detail/8033

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング