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小林佳徳のネットメディア通信

第4回 マッシュアップで輝く「動画配信サービス」の近未来


コンテンツを集めた先にあるマッシュアップ

 動画をアップロードして共有するサービスはたくさん生まれましたが、あらかじめユーザがこれらのサイトを埋め尽くすほどのたくさんのオリジナルコンテンツを所持していたわけではありません。手持ちの動画といえば、例えばDVDをリッピングしたものや、TV番組を録画したものが多く、例えばYouTubeなどでは、掲載された著作権侵害のコンテンツの削除を日々行っております。

 国外の共有動画はホームビデオが中心ですが、ただ撮っただけで未編集のホームビデオ映像を皆が見たいわけでもなく、万人が見られるものにするためには、撮影・編集・エンコードなどの知識と経験が必要になるため、ブログのような文字と静止画だけのコンテンツに比べてかなり敷居は高くなります。そんな中、下記サイトのような動画ならではの特徴を活かしたサービスが始まってきています。


「マッシュアップ」という言葉の解釈は人それぞれなのですが、仮に「動画コンテンツのオリジナルソースに手を加え、新しい価値を創造すること」だと仮に定義すると、現在はサービスが終了しておりますが、ニコニコ動画が短期間でものすごいページビューを上げたのは、まさにマッシュアップされたコンテンツに多くの人の興味を惹いたからでしょう。今後もこのようなサイトが増えてくることが予想され、大きな動画コンテンツビジネスの可能性を感じます。

動画サービスが新たなビジネスモデルを形成する日

 動画コンテンツサービスは今後どのような軌跡を描いていくのでしょうか? まずはユーザ視点から考えられるものとして、、今後もインターネットの利用率が上昇し続けるだろうことから、SNSやブログ内に静止画像を添付する感覚で、「ちょっと見せたい(共有したい)」という時に手軽に扱えるコンテンツとしての利用方法が増加していくことは間違いないでしょう。

 mixiでは、自サイト内のみでの動画共有が可能ですが、YouTubeのように他のサイトなどにも自由に貼れる事で知名度を上げたサービスもあるだけに、今後もそれぞれの動画サイトやSNS、ブログサイトにおいて「どこまで共有を認めるか」の方針、サイトポリシーは注目です。

 コンテンツを保持、製作している視点からは、オンライン上で欲しいメディアへの加工を完結させるという動きが生まれてくるかもしれません。Photobucketのように、これまでローカル環境のパソコン上で行っていた作業が、最近ではどんどんオンラインに移行しています。おかげで面倒なアプリケーションをインストールすることなく、AjaxやJavascriptの技術向上によりWebブラウザ上で行えるようになってきています(Googleのパーソナライズドホームや、livedoorReaderなどのRSSリーダー、表計算やプレゼンテーション作成など)。

 これからのデータ処理能力や通信速度の向上次第ですが、手持ちの素材をアップロードしておき、高価なビデオ編集ソフトを購入することなく、オンラインで公開されている他の共有素材と編集・加工、そしてそのままDVD等にして発送、というような利用方法も近い将来可能になるのではないでしょうか。

 さらに、ワンセグ放送、地上デジタル放送など、配信プラットフォームの進化・多様化、そして、携帯電話、携帯ゲーム機、iPodなどでの再生機器の充実などから、パソコン上での再生以外にも動画コンテンツの利用シーンはさらに増えていくでしょう。著作権侵害の問題は健全なコンテンツの生産のために、今後もより大きな問題として取り上げられていくと思われますが、これからは動画共有サイトにライセンス侵害されたことを訴えるだけでなく、例えば先日の東芝EMIが宇多田ヒカルのフルPVの配布を期間限定で行ったように、新しいメディアとして活用すべきでしょう。そうすれば新しいさらにビジネスモデルが生み出されてくるようにも思います。

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    この記事の著者

    小林 佳徳(コバヤシ ヨシノリ)

     1973年山梨県甲府市生まれ。幼少時代にNEC PC6001と出会いコンピュータに興味を持つ。 新潟大学大学院自然科学研究科在籍中にインターネットの可能性に惹かれ、1998年に上京。大日本印刷、ベネッセコーポレーション、と大企業を経験後、livedoor、モバイルファクトリー、イトクロなどのベンチャー企業を経て、...

    ※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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    MarkeZine(マーケジン)
    2007/02/28 18:44 https://markezine.jp/article/detail/808

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