顧客ごとに最適化された情報配信をデータの一元管理で実現
HMVジャパンでは、店舗と、ECサイトである「HMV ONLINE」「HMV MOBILE」の顧客データを一元管理し、それぞれのチャネルを通じたOne to Oneマーケティングを実施すべく、2007年1月にCRM推進部を発足。第1の施策として、2007年6月にHMV ONLINE、HMV MOBILEと店舗のメンバーズ・カードのポイントサービス統合を実施した。
以前のメンバーズ・カードは磁気カードにポイントを記入していくだけのタイプで、顧客情報を取得できないという課題があった。そこで、有効な会員データを収集すべく、店舗でのカード発行後、PC・携帯サイトで会員登録してもらうというシステムに変更した。リニューアル前には、九州や札幌でのテストマーケティングも実施。登録フローの改善や、登録後のインセンティブ設定の調整などを行ったという。その結果をもとに、新たなメンバーズ・カードシステムの全国展開に踏み切った。
緻密な準備が功を奏し、ポイントカード移行はスムーズに進行。現在ではメンバーズ会員は、オンラインも合わせて約350万人にのぼる。新メンバーズ・カードにより、HMVジャパンでは各顧客が、店舗やONLINE、MOBILEで、どのような商品を購買したかというデータを把握できるようになった。このようなデータを分析し、それに基づいた顧客ごとにパーソナライズされた情報を、店舗にあるKIOSK端末や、PC・携帯サイト、そしてメールマガジンといった各チャネルで提供している。
取得した会員情報を基に来店促進用のメルマガをスタート
前述の施策により、店舗の顧客のメールアドレスを取得できるようになったため、来店促進用のプロモーションにメールを活用できるようになった。しかし、メールマガジンを配信できる状態にはなったものの、制作者が不在。
そこで、当時セールスプロモーション部に在籍していた深井氏が異動し、メールマガジンの作成を担当するようになった。さらに規模が拡大していくにつれ、深井氏一人では対応できなくなったため、2008年に黒田氏も参画。現在は、2人でメンバーズ会員向けのメールマガジンのコンテンツ収集からライティング、デザイン、制作まで、メールマガジンに関連するほとんどの業務をこなしているという。