店舗、ONLINE、MOBILE各チャネルでの集客に成功
メールマガジンの効果について清水氏は「現在、プル型のチャネルとして店舗のキオスク端末、PCサイトや携帯サイト、プッシュ型ではメールマガジンがあり、これら全てのタッチポイントを通じてお客様とコミュニケーションをしています。メールマガジンをスタートする前は、店舗ではお客様の来店を待つしかありませんでした。メールマガジンを利用することによって、『こんな新譜があります』『こんなキャンペーンをやっています』といった情報を知らせることができるようになった点は、大きいと考えています。よく、ECサイトと店舗の双方が食い合いにならないかといった懸念も聞かれますが、やってみたらそんなことはなく、双方のチャネル特性を活かした集客は可能だと考えています」とした。
成長するモバイルチャネルをデコメ配信でさらに強化
HMVのECでの売上げは、全体の売り上げの実に三分の一を超える。通常、店舗だけが強かったり、ECサイトだけが強かったりといったことが多いが、同社の場合は見事に両立していると言える。また、店舗、PC、携帯の3チャネルで言えば、現在は携帯の成長率が最も高いという。
携帯サイトでは、デコメを使ったメ―ルマガジンの配信をスタート。取材時点では3週間ほど経過したばかりだったが、従来のテキストメールの数倍の反応に皆驚いたという。清水氏は「テキストメールの場合、文字数制限があったので、メールから誘導させるページを見させるということがメインでした。デコメの導入については、40代~50代のお客様の反応を心配していましたが、今のところうまくいっています」とデコメの手ごたえについて語る。

大衆は個人の集合体、お客様を理解したコミュニケーションを目指す
最後に、各人それぞれの今後の抱負について伺った。
「新しくデコメの運用が始まりましたが、若い人はモバイルが最も身近なメディアだと思うので、見やすく分かりやすく、かつHMVのカラーを忘れずに推進していこうと考えています」(深井氏)
「お客様には、メールマガジンを通じて“この人”というアーティストに出会ってもらいたいと思って取り組んでいます。分かりやすく良い情報を届けられるよう心がけたいです」(黒田氏)
「メールマガジンへの注力に踏み切れない企業は多いと思います。しかし、制作や効果検証、いかに実際の売上げにつなげるかといったところまでトータルで考えて実施すれば、その分の効果は必ず出ます。2年前は当社でも、ECでしか行っていませんでしたが、1年半取り組んで、実際に効果を実感できるところまでになりました。
今後は、更にコミュニケーションデザインを重視していきたいと考えています。最近話題のファストファッションをみると、多品種少量販売を行うことで伸びています。これは大衆をターゲットにしつつ、個人の嗜好性をしっかりと捉えているからだと考えています。以前のようにマス媒体に広告を出せば売れるというほど簡単ではなくなってきているので、CRM戦略は重要です。お客様を理解し、お客様に深く入り込むためにも、コミュニケーションデザインは大切。その中での重要なメディアの1つであるメールマガジンには、今後も力を入れていきたいと考えています」(清水氏)

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森 英信(モリ ヒデノブ)
就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・翻訳ツールなど...
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