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国内ナンバー1の有力媒体Yahoo! JAPANが
行動ターゲティングに注力する理由

さらに購買意欲の高いユーザーをターゲティングする広告も用意

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複数あるターゲティング広告は、どのように使い分ければよいのでしょうか?
津留崎
情報を集めようとしている顕在顧客には通常の行動ターゲティング、一歩進んで、比較・検討の段階にまで進んでいる顧客に対しては前述のような、掛け合わせ行動ターゲティングが効果的だと考えています。
さらに、ニーズが明確で購買意向の強いユーザーに対して訴求力の高い、「ダイレクトレスポンス行動ターゲティング」と呼ばれる広告も提供しています。これは、モデリング手法を用いて、特に確度の高い見込み顧客のみを抽出して広告を表示できる商品です。しくみとしては、ユーザーの行動履歴をスコア化し、一定期間の行動がないユーザーの排除や、直近の行動履歴に対してスコアを高く計算するなどの調整を行ったうえ、合格点を超えればターゲットとしてユーザーを認定して広告を配信します。
その結果、通常の行動ターゲティング広告と同カテゴリ・同クリエイティブ・同掲載期間で比較した場合ではCTRで2倍~5倍の違いが出ています。ノンターゲティングの広告と比較すると違いはさらに大きくなり、4倍~10倍となります。
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モバイルに関しても独自のサービスがあると聞いていますが?
津留崎
モバイル版のYahoo! JAPANでは、2つの行動ターゲティング商品を用意しています。1つが、モバイル版Yahoo! JAPANの行動履歴を用いて、モバイルユーザーに広告を配信する「Mobile to Mobile」というサービスです。着うたなど、モバイルに親和性の高いサービスに向いた広告だと言えるでしょう。
もう1つが「PC to Mobile」というサービスです。これは、PC版Yahoo! JAPANでログインユーザーの行動履歴を取得し、モバイル版Yahoo! JAPANへログインした際に、PC版での行動履歴をもとに広告配信するしくみです。PCとモバイルを連動した、クロスメディアでの広告展開が可能になります。
PC版の行動ターゲティングへの出稿経験のある広告主はもちろん、モバイルへの出稿経験が少ない広告主にも活用いただきやすい広告です。
Yahoo!モバイルでの行動ターゲティング
Yahoo!モバイルでの行動ターゲティング
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最後に、今後の展開についてお聞かせください。
津留崎
行動ターゲティングの技術を用いた広告は、ほんの数年前までは、日本国内では広まっておらず、リリース当初は広告主にそのしくみや出稿のポイントついてご理解いただくのが大変で、認知されるまでに長い時間がかかりました。ところが最近は、その効果の高さから、リピーターの数も増えています。
景気の悪化に伴い、広告宣伝費をコスト削減の対象とせざるをえない企業も多い昨今、広告主や広告会社には、限られた予算で、今までと同様あるいはそれ以上の効果を出す努力が求められています。このような状況でさらに重要性を増してくるのが、自分たちの商品・サービスを、どのようなターゲットに対して訴求したいのかを、今まで以上に明確にしていくことでしょう。行動ターゲティングをはじめとする新しい広告技術はそのための力強い味方になりうる、と考えています。

 

生き残るための広告技術 進化したインターネット広告「行動ターゲティング」のすべて

広告業界で生き残るための知識が詰まった、マーケター必携の1冊!

行動ターゲティングの第一人者Rob Grahamによる『Fishing From A Barrel』を、国内の行動ターゲティング普及を牽引するデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムの広告技術研究室が翻訳。さらに、DAC取締役CTO 徳久昭彦氏を監修に迎え、国内事例の取材やITジャーナリスト佐々木俊尚氏による書き下ろしも加えた、充実の一冊!

  • 国内マーケティングの最新動向を分析

    インターネット広告の歴史/表現手法の高度化/メディア・デバイスの多様化/ターゲティング手法の発展

  • 技術概要から応用のヒントまで解説

    マスマーケティングの限界/広告主・媒体社・消費者にとってのメリット/ターゲティングの分類/実施フロー/マーケティング手法への応用/行動ターゲティングの将来像/データ取得方法と取得すべきデータ/データ解析の考え方/プライバシーの重要性/人間の行動原理/広告コミュニケ―ションの本質

 

 

1,900円(+税)/ISBN978-4-7981-2012-6/発行所 株式会社翔泳社

各書店のほか、AmazonSEshopなどでも購入可能です。

 

 

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この記事の著者

大正谷 成晴(オショウダニ シゲハル)

1973年生まれ。フリーランスライター・エディター。2001年よりビジネス誌を中心に活動を開始。現在に至る。趣味はサイクリング、料理、投資。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/10/05 11:00 https://markezine.jp/article/detail/8453

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