モニタリングレポートでサイトの健康診断
ここまでで、リクルートの社内レポートを紹介してきましたが見て感心してもらうのではなく、みなさんにも是非モニタリングレポートを作ってほしいと思っております。
モニタリングレポートは、サイトの健康診断票なんですね。自分の状態がどうなっているか、血圧、体重、尿酸値のどこが悪いのか、把握するために使うレポートです。身体がサイトだとすると、体重・身長・血圧が指標です。状態を把握するための定期健康診断がモニタリングレポートと考えてください。
モニタリングレポート作成のポイントを5つお話させていただきます。
モニタリングレポートを作成する5つのポイント
計測項目を明確に
1つは当たり前なのですが、計測項目を明確化しましょうと。サイトのゴールは何か、達成するためにはどの項目を見ていけば良いのか、その項目を達成するためにはどの数字を追えば良いのか。KGI(key goal indicator)、KPI(key performance indicator)と来て、計測指標へと落とし込んでいきます。
レポートは3つに分ける
2つ目。レポートはデータ、グラフ、サマリの3つに分けることを推奨しています。Excelで処理するデータ部分については、固定値・入力値・計算値を簡単に見分けられるようにしておきましょう。
誰が見てもわかるデータにする
固定値は四半期の予測売上、入力値というのはアクセス解析から落としてくるデータ、計算値はそれを元によって計算される指標などが該当するでしょう。レポートをいろんな人が使うのであれば、計算値を出すセルにベタで数字を打ちこまれてしまうとファイルが壊れてしまう恐れもありますから。
あとはありがちなのですが、すごく横に長い表を作るのは避けましょう。PVがあって訪問回数があってUUがあって……と30項目くらいが並んだレポートも良く見ます。非常に見づらくなりますので、見出しを付けて複数の表に分けて作成することをお勧めします。作成者・更新日などの情報も忘れずに入れましょう。
グラフは変化を比較するためのもの
グラフは変化を比較するためのものだと思います。グラフの作り方については、1つのグラフに複数の指標を載せることが基本だと考えています。例えばサイトのUUのレポートをグラフにしたとして、数字は横ばいだったとしましょう。そのグラフにPVを追加します。PVは徐々に増えていれば、1ユーザーあたりのPVは増えているという新たな事実が分かります。UUやPV単体で見ていても分からない事実です。
サマリにはKGI/KPIに関する情報を
最後にサマリはKGIとKPIに関する情報のみを記載しましょう。
結局、偉い人はサマリしか見ないんですね。目標を達成したか、なぜそうなったのか、ということしか見ません。ですので、現状・傾向・課題が分かるようにするということと、文章で説明するようにしましょう。
分かりやすく伝えるには、最終的には文章にした方が分かりやすくなります。グラフを見ればなんとなく傾向は伝わるんですが、最後に文章でなぜそういう傾向が起きているのかをレポートにすることが大切です。
ということで作ってみてくださいとお勧めするのですが、作るのは大変だったりします。始めていただきやすいように、テンプレートを用意しました。合わせてキャンペーンレポートとサイト基本分析表というものもあります。サイトを立ち上げた時にまず見るべき指標というものをWord形式で穴埋めしていく分析表になります。
テンプレートのダンロードはこちらから
アクセス解析のレポートはなぜ作るのでしょうか。現状を把握して、過去と比較して、未来を変えていく。現状と過去をセットにして、次の施策を考えるために必要なものです。それを時系列で見るためのものがモニタリングレポートです。
もう1つは先ほどの考え方で説明しますと、モニタリングレポートは健康診断のようなものです。そのためのKPIは体重だったり血圧だったり尿酸値ということになるのですが、それでは健康診断のKGI、つまり「何故KPIを取得しているのか」は何でしょうか?
健康診断のKGIは「生きる」ことだと私は思います。モニタリングレポートもサイトを生かすためのツールだと考えています。それを使って、課題を見つけて、反映させてサイトを生かすことによって、弊社のコーポレートメッセージでもある「まだ、ここにない、出会い」が生まれるのではないでしょうか。