Q あれだけ成功したクロックスをお辞めになった理由を教えてください
「ある程度成功すると飽きてしまうから…」というのは冗談で、上場もして会社が大きくなり、本社が私に求めることと、自分が大事にしたい事とがずれてきました。
日本でのクロックス浸透のために自分の思うとおりに今までやってきましたが、それがやり続けられない事が分かったので辞めました。
自分はいつでも自分らしさを重視し、それをなくしたら自分としてこの世の中に存在する意味がなくなるので。
Q その後、ご自分の会社(JUTE)に集中したわけですが、JUTEにおいて目指しているものは何ですか?
人のやらないことで自分たち流を貫いて成功することです。
気持ちで働く社員だけの集合体にして、社員とその家族を幸せにすること。業界や業種にはまったくこだわらず、やることすべてにおいて成功させる集団にすること。
手段のキーポイントは消費者の深層心理を読み取り、それを動かすノウハウを徹底的に磨いて実行に移す。現在やっていることは私のブログを見れば分かるので、ぜひご覧になってください。
【インタビューを終えて】
森平氏に私が初めて会ったのは10年以上前だが、当時森平氏はまだ会社員だった。
その後、今回のインタビューのとおり森平氏は独立し、クロックスを成功させたわけだが、出会った頃から変わらないのは「気持ちで動くのが人」を常に体現する仕事への姿勢だ。
どんな仕事であれ、それにかかわる人々が「本気でやろう」と思う空気が、常に森平氏の周りにはあったことをよく覚えている。
「事業関係者の気持ちを動かすこと」
これは、マーケターにとって身に付けようと思って身につくものではない。だからこそ、それができる森平氏には今日も企業からのオファーが舞い込むのではなかろうか。