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ビジヲタ必見!「すべらない事業」の作り方

人気サンダル「クロックス」の仕掛け人に聞いた、商品ブランディングのコツ

 毎回ユニークな事業を行っている企業の経営者にインタビューする「すべらない事業のつくりかた」。第7回である今回は、一世を風靡したサンダル「クロックス」を日本で仕掛けたJUTEの森平氏にすべらない事業運営の秘訣を聞いた。

Q まず初めに貴社の事業内容を教えてください

 当社ではブランディング、マーケティング、PR、ウェブサイト・ECサイトの制作業務、外資系のIT業務受託、スパークリングワインの代理店、小売り事業、ミステリーショッパーなどを現在行っています。

Q 森平社長の過去のキャリアを教えてください

 クロックスを始める前までのキャリアは、大学卒業後にCAD周辺機器のメーカーで営業を3年、楽器の総合商社モリダイラ楽器で11年営業を、販促・輸出入の兼任でモーリス楽器製造(モーリスギターの工場)の社長を3年です。

 そこから独立して1年数か月はライセンス事業を一人でやり、その後、ライセンス事業を中心にjute(ジュート)という会社を立ち上げました。

Q 独立して始めたライセンス事業とはどのようなものでしたか?

 モーリス楽器製造を退社後に独立してやりたいことはいくつかありましたが、資金無し、技術無し、社員無し、流通無し、とやりたいことは何一つできませんでした。

 考えた挙句、自分の武器である行動力、交渉術、英語力、契約の知識を活かせるもので勝負することにしました。

 具体的には、企業と企業の間に入って、コンテンツなどの財産を持っている会社と流通を持っている会社をつなげ、ロイヤリティをもらうマッチングのビジネスです。海外のブランドや出版物を日本の流通と代理店契約させたりしていました。なかでも多かったのは、コラボレーションのための海外企業のハンティングでしたね。

Q 具体的な海外企業とのコラボレーション事例を教えてください

 某大手アパレルメーカーから「ハワイ企業とコラボレーションしたい」という案件が回ってきたのですが、ハワイ企業と言っても私はハワイ通でもないし、むしろハワイのことは何も知らない状態でした。

 聞くと、1年間ほかの会社に依頼をしていたが、まったく進まなかったという状況。さらに酷いことに、残り1週間で20のハワイブランドを集めなくてはならないというオファーでした。「そんな無茶な」と思いましたが、これも自分に課せられた勝負だと思い、引き受けました。

 その後3日間、日本で各所に当たりましたが埒が明かず、人の助けを得ようと思っても、そう真剣には取り合ってくれませんでした。そうやって試行錯誤しているときにハワイ観光局に行く機会がありました。その待合室でハワイの本を見かけ、何気なく取り上げてみると情報元がハワイの広告代理店であることが分かり、電話をしてみました。

 しかし、「当社はその様な仕事に付き合ってはいられない、でもハワイに来ることがあったらいつでも寄ってらっしゃい」と、それだけでした。

 そこで、日本に居たまま交渉をしても説得力にかけると思い、残り4日しかありませんでしたがハワイに飛ぶことにしました。ところが、着いた当日は安いホテルを探すことで半日が潰れ、運の悪いことに次の日はアメリカの建国記念日ですべてのオフィスがクローズ・・・。結局、残る1日だけしか交渉日はなかったのです。

 当日は、「どうしても、ここだけは外さないでくれ」と依頼者から言われた動物園との飛び込み交渉からスタートしました。しかし、その動物園では「州政府が経営しているのでハワイ州政府に行ってくれ」と幸先の悪いスタート・・。州との交渉とは、いきなりハードルが高いものだと思いました。

 なかには「この1枚の名刺で君をどう信じればいいの? 商標を貸すということは大変なことだよ」という企業も。考えれば当たり前なのですが、難関は多かったです。

 結局、夕方まで狂ったように動き回り、1日で最終的に23ブランド程集まりました。この実績が買われ、その後2度ほどハワイに通うことになり、最終的に合計75社と契約をすることができました。

 まあ、「やってできないことはないな」「行動力とハングリーさがあればなんとかなる」と思えた仕事でしたね。

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この記事の著者

矢作 嘉男(株式会社ハチワン)(ヤハギ ヨシオ(カブシキガイシャ ハチワン))

株式会社ハチワン代表取締役。New Jersey City University卒。
中国人観光客向けクーポンサイトなどインバウンド媒体を運営。
2011年、中国のインターネットプロモーション事業を行う北京博洛密網絡科技有限公司と提携し、中国向けプロモーション事業を開始。本当に成果の出る中国市場向けインターネットマーケティングのみをを提供し、インバウンド向けから中国現地進出向けまで数多くの実績を持つ。
プロモーションのご相談:info@813.co.jp

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/01/29 13:00 https://markezine.jp/article/detail/9468

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