実際にどのようなフローで実施しているのか?
次に、オムニチュアで実際にどのようにリードを生み出し、管理しているかというケーススタディが発表された。
まず、下記の表のように過去の効果測定データから得られた仮説数値を使い、100万ドルの売上を上げるためには、10万ドルのマーケティング予算が必要であるといった試算を行う。
ディール当たりの平均売上 | 50,000ドル |
成約率 | 20% |
レスポンス->MSL | 9% |
インプレッション->レスポンス | 0.2% |
1MQL獲得コスト | 1,000ドル |
売上目標 | 1,000,000ドル |
ディール数 | 20 |
Sales Qualified Lead | 100 |
リスポンス | 1,050 |
インプレッション | 525,000 |
予算(コスト) | 100,000ドル |
次に、データベースから「オンラインマーケター」「マーケティングエグゼクティブ」「ウェブアナリスト」といったプロファイルを持つターゲットを選定し、それぞれに対するメッセージの最適化やアプローチの方法の検討を行っていく(ターゲットのプロファイリング方法は昨年の同セミナーレポート「ペルソナの定義」を参照)。

各ターゲットのペルソナは、「企業での役割やミッション」「ライフスタイルや属性」「ビジネス上の苦痛5点」「行動パターン」など詳細に研究・設定し、どのようなコンテンツやプログラムが魅力的であるかを検討していく。Mark氏というオンラインマーケターのペルソナへのアプローチを例にとれば、ベンチマーク調査、ベストプラクティスを紹介するウェビナー、事例、製品の利点と機能を紹介するコンテンツといった具合だ。
実際に作成する際には、ベンチマーク調査で調査結果を基にパーソナライズされたレポートを作成し、インダストリーレポートや統計など中立的なコンテンツを用意して「売り込み」よりも「教育」的なコンテンツを提供を行うなど、詳細にアレンジする。

こうしたターゲットユーザーへのコンテンツを用意した後は、Webサイトを訪れたユーザーに対しての最適化を行う。SEMにおける取り組みを例にとれば、検索ワードごとのランディングページの最適化などが挙げられる。例えば、omniture.comでは「Web Analytics」と「A/B test」という検索ワードで、トップページのコンテンツが変更するようになっている。メインイメージの他、製品のセクションで紹介されている機能やホワイトペーパーなども自動的にキーワードに最適化され、訪問者に対してレコメンデーションを行う。また、サイト内でユーザーがアクセスしたページの内容によっても、トップページの表示内容は変更される。
施策で獲得したリードとそのデータは、Salesforceとオムニチュア製品をマッシュアップしたツールにリアルタイムで落とし込んで管理している。獲得したリードは、属性と行動パターンによってスコアリングし、スコアの高いリードをセールスチームと共有する。また、チャネルやコンテンツごとのROIを把握できるダッシュボードを用意し、それぞれの施策の状況を把握できるようにしている。

オンラインマーケティングは戦略的なアプローチが必要な時期に
このようにオムニチュアのマーケティング活動は、「予算の設定」「ターゲットの選定」「リード取得コンテンツの作成」「セールスチームとの連携」「運用・最適化」「施策の効果測定」といった各工程をデータやツールをフル活用して実施されている。
今までのオンラインマーケティングは、成長途中の分野であったため単なる一施策や手法に焦点が当てられがちであったが、今後はこうした企業の戦略の中心にいかに組み込み、成果を挙げていくかを考えていくべき時期に差し掛かっているのかもしれない。
今年は組織構成について重点的に紹介されました。ペルソナの定義やマーケティングを成功させるための4要素/8つのポイントなどを知りたい方は、昨年の同セッション記事を併せてご覧ください。