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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day Spring 2010レポート

マスからセグメンテーション、そして1to1へ
1to1マーケティング導入の手順とは


Eメールマーケティング拡大の解決策に「個」客最適化

 Eメールマーケティング拡大に伴う問題点として、毎月平均2通送っているメールを4~10通に増やして、来店頻度・客単価を向上させようという経営の命題があったとします。

 送信通数を増やすといろいろな問題が起こってきます。開封率の低下や、購読の中止につながるかもしれません。

 そこでわれわれがご提案させていただくのが、「個」客最適化ということになります。パーソナライズで最適化させていきましょうということです。そのキーワードになる「興味のある内容」と「適切な受信通数」という2つをご説明していきたいと思います。

 「興味のある内容」については、お客様に心地良いと思わせることが肝要です。そんな演出をすることで、自社に対してお客様が好感を持っていただけるようになります。

 ビジネスや商材に合わせた個別感を演出することも大切です。「どうすれば良い」と画一的に言うことはできませんが、商品レコメンド、お客様の行動履歴に応じたコンテンツの提供、お客様の属性に合わせて地元のお店のキャンペーンを伝えるといった選択肢があります。

 後は、Webサイトへの訪問回数、購入金額、ポイント期限などの行動イベントに応じた告知も非常に有効です。

 ペルソナを使って見ていきましょう。20代前半の女性、主に店舗でCDを購入しているとします。来店頻度は年1回程度、購入ジャンルはJ-pop、購入アイテムはEXILEや安室奈美恵だとします。

 「Wポイントキャンペーン」「店舗キャンペーン」「新譜案内」など、個客の嗜好を無視した従来型のメールを送っていると、店舗に来店していただけなくなります。
個客の嗜好性に最適化するためには、「EXILEや安室奈美恵の新譜情報」「よく行くお店のインストアイベント」といったメールを送ることで、開封率も上がるし、コンバージョン率も上がってきます。

メール配信数の最適化は「ちょっと足りない」くらいに

 適切な受信通数についても考える必要があります。まずメールの絶対数が多ければ、お客様に合った内容のメールであっても嫌がられてしまいます。いかに制限していくかが大事になってくると思います。
どんなに興味があるものがあっても、たくさん届くと「全部受信し続けるのはめんどくさいから解約しよう」ということになってしまいます。欲しいときに欲しいだけの情報が届くように、コンテンツ間を最適化することで、内容もよく理解できると好感を持っていただけるようになります。ちょっと足りないくらいが読んでいただける傾向があります。

 最適化のステップですが、まずはメールのキャンペーン間でプライオリティを付けて、プライオリティの高いものだけ送るようにしましょう。

Step1

 Step1は、当日および過去のメールを対象にしてプライオリティ付けをします。「昨日メールを送ったから今日はやめよう」といったものです。

Step2

 次にStep2ですね。ここから未来メールを対象にします。例えばプライオリティの高いメールを明日送るから、今日は止めようとか。そしてキャンペーン間でROIの比較をします。例えば開封率とかコンバージョン率。送る予定のメールでROIを比べて、高い方から送るようにします。

Step3

 Step3はキャンペーングループで管理します。キャンペーンの数が数百とかにになると、個別メールでROIを付けづらくなっていきます。そのため、キャンペーンを大きくグループ分けして、「月額課金のお客様向け」「他サイトへの会員誘導向け」だとか大きくグループ分けして、グループ間でプライオリティを付けて行きます。

 後は、お客様が過去にどんなキャンペーンに反応したか。お客様が過去に反応したキャンペーンのうちROIの高いものを送るようにするというのが最終的なステップになります。

 以上のようなステップを弊社のCRMソフトウェア「SmartFOCUS」でサポートしています。

 次にメール本文の例を紹介します。

 HTMLメールを想定していますが、企業ロゴ、お客様名、共通キャンペーンといった内容になると思います。

 個客最適化のためには、そこにもう1つ顧客最適化エリアというのを作りましょう。スペースの広さは、さほど広くなくて十分です。メール本文を全部最適化した方がよいのですが、そうすると開発の工数がかかってしまうので、まずはスタートすることが大事でしょう。

 顧客最適化エリアには、オススメ商品、お客様が反応したキャンペーン、お客様の住所情報から最寄り店舗のキャンペーン、もしくは興味のあるカテゴリのニュースなどを表示すれば良いと思います。

次のページ
個客最適化のためにマーケティングデータベースの構築を

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この記事の著者

中嶋 嘉祐(ナカジマ ヨシヒロ)

ベンチャー2社で事業責任者として上場に向けて貢献するも、ライブドアショック・リーマンショックで未遂に終わる。現在はフリーの事業立ち上げ屋。副業はライター。現在は、MONOistキャリアフォーラム、MONOist転職の編集業務などを手掛けている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/11/06 17:27 https://markezine.jp/article/detail/9904

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