Twitterを活用させるためのアカウント活用法
では、IMJのTwitter活用例について具体的に紹介していきましょう。
ポイントは「どのようにTwitterを学生に使ってもらうか」でした。その課題を解決するために、IMJの新卒採用で は、28個ものアカウントを活用しています。「採用担当者アカウント」「松本(筆者)個人アカウント」「会社説明会アカウント(母体)」「会社説明会アカウント(投稿用)×25個」です。


「採用担当者アカウント」では、IMJグループの一般向けニュースリリースを学生の興味を引きそうなカジュアルな表現に再構成した発信や、イベント情報(インターンや説明会など)を他メディアに先駆けて発信しています。
また学生からのリアクション(イベント参加後の感想、質問など)を受信するなど、平時のコミュニケーションプラットフォームとして活用しています。これらの情報更新を求人媒体内の企業ページで行うと追加コストを請求される(または更新不可である)ことが多いため更新性が極めて低く、この点でもTwitterは利便性に優れています。
投稿用アカウントはスパムアカウントを回避するため
「会社説明会アカウント」は、文字どおりIMJの会社説明会で使用するアカウントです。参加者に配布した25個の投稿用Twitterアカウントを介して説明会開催中に質問を募り、各アカウントをフォローしている母体アカウントのタイムラインを会場内スクリーンに投影します。その中から特に重要と思える質問をピックアップして、その場で回答します。
挙手制の質疑応答と比べ、質問内容のクオリティコントロールが効くという直接的な効果の他 に、「面白い仕掛けをしている」という参加学生の満足度向上と、それを背景としたクチコミ効果も期待しています。
また当日ピックアップできなかった多くの質問には、後日回答しています。説明会に参加していない学生もこれらを閲覧することでIMJに興味を持ち、その後の説明会予約数を伸ばすことができました。
余談ですが、25個もの投稿用Twitterアカウントを持っているのは、スパム判定を受けることによるアカウント停止を回避するためです。
初回の会社説明会では、ひとつの母体アカウントに参加者全200名以上をログインさせました。そこで、いよいよTwitter質問会の本番となり、一斉に閲覧・投稿され始めた結果、アクセス数過多ということでスパム判定・アカウント停止となりまったく機能しなくなってしまったのです。
このような事態でも、参加者した学生たちは「実験的」な試みという認識で、笑顔でこの事態を楽しんでいたことが強烈に記憶に残っています。その後、どこまで負荷分散すれば停止しないかを実験し、10人で1アカウントあれば問題ないという結果を得ました。それを受け、(定員は250人のため)翌日の説明会までに25個のアカウントを大急ぎで用意することになったのです。
一方、「松本(筆者)個人アカウント」は、もともとは採用のためではなく純粋な私用アカウントでしたが、夏に開催されるIMJインターン参加学生など早期接触者を中心にクチコミで広がりました。結果的に、学生と半年近く毎日ダイレクトなやりとりをしており、IMJに対するロイヤリティの維持に役立っています。