業界内の関連ワードをTwitterで分析
自社の属する業界に関連するワードを見ておくことも大切です。特に自社のブランドや商品・サービスに対する言及数が少ない場合には、有効な手法です。
マンション領域のサービスを自社が提供しているのであれば、「マンション」「賃貸」「新築」などがよいでしょう。アクセス解析ツールを導入しているのであれば、ブランドワード以外の上位流入ワードをピックアップして、検索サービスで探してみましょう。

こういったワードは、自社サイトなどに誘導する時に非常に便利です。「新築マンションを探しているんだよな~」というつぶやきに対して、自社のTwitterアカウントから紹介をする事も可能です。
その他にも、こうした重要なワードに対する世の中のトレンドを把握するのにも役立ちます。マンション領域であれば「不景気で購入を迷っている」とか「どのエリアに興味があるか」といったことが、つぶやきから分かる場合もあります。あくまで個人のつぶやきを拾っているため大局が分からないので、「一人の意見に左右されて良いのか?」という意見もあるかと思います。もちろん、Twitterだけの結果で判断する必要はなく、今まで行ってきた調査やアンケートなどを、併用しながら活用ください。
発言者に着目した分析
最後の分析は、発言した人に注目します。
自社のサービスや商品について、積極的に発言している人をリストアップしていきましょう。自社のファンとアンチファンを把握しておき、特に影響力が大きい人にはコンタクトをとる事も考えましょう。自動車メーカーのFordでは、なんと新製品を影響力がある20名にプレゼントして、その感想を定期的に書いてもらうというキャンペーンを実施しました。このようなTwitterユーザーを巻き込んだキャンペーンは、既に多数行われています。
リストアップ以外にも、発言しているのはどういう人たちなのかという定性分析を行いましょう。Twitterアカウント上でのプロフィールや、そこで紹介されているブログを見ることによって、どういう職種・年代・性別・趣味の人が、自社に興味があるのかを把握することが可能です。マーケティングの参考にしてください。
本記事ではキャンペーンの事例や成功要因などは特に紹介しませんが、次の記事などが参考になると思います。
Twitter分析の課題と未来
今回、紹介したすべての情報収集と分析を行うと非常に時間がかかります。まずは、いくつかピックアップして試してみましょう。
Twitter分析の1番の課題は「手間」にあります。ツールがばらばらで、文章などは地道にチェックしていく必要があります。そして、実際には収集と分析以外にも、社内での広報・認知や、どのような内容で発言して集客をするかといった実施作業もあります。
まずは、アクセス解析ツールのTwitter版の登場に期待したいところです。Adobe社が提供しているアクセス解析ツール「SiteCatalyst」では、APIを使ってアクセス解析ツール側に取り込むという機能を実装しています。
先に人気に火が付いた米国においても、Twitter分析はまだこれから本格化するといったステージ。日本でもTwitter分析を行っている企業はまだ少ないのが現状です。流行っているからという理由で、とりあえずアカウントを作っているケースもあります。Twitterは情報の宝庫ですし、うまく使うことによって自社の助けにもなります。しかし、それはアカウントを作って、時々つぶやいているだけでは実現できません。
本稿で紹介させていただいたTwitter分析をもとに、ぜひ自社の分析を開始してみてください。必ず新しい気付きを得られる事でしょう。そして、ぜひ、その結果を商品/サービス/サイト運営など各担当者の方々と共有してください。