ポイント還元への対策
一方でやはり、「ポイントが還元される」ことや「アフィリエイトリンク経由で購入するといくらかのコミッションが入ってくること」が動機となって、名前も知らず、利用したこともなかったショップで買い物をしてみるという行動も十分に考えられます。アフィリエイトサイト運営者本人が購入してくれれば、自社商品のよき理解者となって、しっかりしたレビュー付きで商品を推薦してくれることもあるでしょう。
また、メーカーの直販サイトなど、小売店への配慮から自社のサイトではなかなか思い切ったディスカウントは難しいという場合に、このポイント還元との連動を上手に活用し、第三者であるアフィリエイトサイト主体でポイント還元してもらうことで、実質的な値引きを実現させるという活用法もあります。ポイント還元や本人成果を認めるか否か、こうしたメリット・デメリットを考えた上で決めてください。
問題は、売上コミッションではない、例えば資料請求や無料サンプル請求の場合です。ポイント還元サイトと提携することで、俗に「ポイントゲッター」「マイラー(マイルを貯める人)」などと呼ばれるポイント獲得目当てのユーザが片っ端から資料請求や無料サンプル請求を行い、結果としてコミッションや発送コストだけがかかって成約には結びつかないのではないかという懸念もあります。 実際、ポイント還元を実施すると、多かれ少なかれ、コンバージョン率は下がります。どの程度下がるかは、ポイント還元をしているサイトでの見せ方や、会員層などによっても異なってきますが、一般的にはコンバージョン率の悪化は免れないようです。
ただ同時に、ポイント還元をしたからといって、資料請求者全員が、ポイント獲得して満足して終わってしまうということではないのも確かです。きっかけとしては「ポイントがもらえる」ということだったものの、届いた資料やサンプルなどを通じて商品やサービスに興味を持ち申込みへ、という流れは十分に考えられます。
ポイント還元との提携でコンバージョン率が悪化してしまうことを懸念するのであれば、ひとつの解決策としては、「ポイント還元サイト向けのコミッション条件を別に用意する」という方法もあります。まずは期間を区切って提携をし、ポイント還元サイト経由での資料請求について最終成約率がどの程度になるか、正確なデータをとります。その上で、適正と思われるコミッション金額を算出するのです。ポイント還元を行わない一般アフィリエイト経由の場合とあまり違わないのであれば、同じコミッション単価でいいでしょうし、もしもコンバージョン率が2~3割落ち込むのであれば、それを織り込んだコミッション単価を決めればよいわけです。
以上、2回に渡ってコミッションの設定方法について紹介をしてきました。「アフィリエイト経由で売上はあがったが、逆に利益が減ってししまった…」というような事態に陥らないようしっかり理解していってください。