世界No.1解析企業を目指す楽天
もともと、アクセス解析データをもとにPDCAサイクルを回すといった取り組みは、「仮説⇒実行⇒検証⇒仕組み化」という楽天が掲げるコンセプトと非常に親和性が高く、既に数値に基づいて次の施策を打つというインフラとして機能している。過去と比較して、各数値のどこがどういうトレンド・理由で変化しているかなどを調べるため、KPIを細かく設定するようにもなってきたという。また、Test & Targetの導入によって開発チームへの依頼などの工数が削減できたことで、ボタンの色など細かい点においても意思決定前にテストを行って検証するというフローが日常化してきているなど大きな成果を生んでいるようだ。

今後、楽天ではこうした解析に対する取り組みをさらに進め、1300人を超えるスタッフ一人一人が自ら最適化できる環境を整えていくという。また、中国最大の検索エンジンサービス「百度(バイドゥ)」とジョイントベンチャーの設立するなど勢力的に動いている、海外進出を見据えた競争力向上という狙いもある。
「中国市場では、最大のライバルである『アリババ・グループ』のタオバオと戦っていくためにも、今まで培った解析のノウハウをどのように活かしていくかが鍵になる。百度からの検索インプレッションをどのように解析し、ユーザーのニーズに応えていくか。グローバル標準と現地の自由度のバランスを模索しながら、今後数年で世界No.1の解析企業を目指す」と鈴木氏は意気込みを語り、セッションを締めくくった。
セッション内容を追うための諸情報
サミットではその他にも、楽天のアクセス解析・最適化推進リーダーである清水氏による実践的な最適化事例の紹介や、ベネッセ・花王・ユニクロの担当者をゲストに迎え、『Webマーケッター瞳』原作者ムラカミカヨ氏がモデレーターを務めたパネルディスカッションなど、さまざまなセッションが行われた。
クリエイティブホープ大前氏によるアクセス解析イニシアチブが行った自然保護団体「WWFジャパン」のリニューアル事例、シエンプレ鷲見氏によるLP改善のためのテスト手法解説、リクルート小川氏によるアクセス解析を社内に浸透させるためのノウハウ解説の3セッションの中継動画は、Ustream上にアーカイブされており、現在も閲覧することが可能だ。
また、各講演資料は下記のアクセス解析イニシアチブのWebサイトから無料でダウンロードできる。
アクセス解析サミットに関するTweetは、有志によりマッシュアップサービスTogetter上にまとめられており、そこから当日の情報を追うことも可能だ。
今後もアクセス解析イニシアチブでは、さまざまなセミナーやワークショップを通じて、ノウハウの共有を推進していくという。なお、直近の活動としては、副代表 衣袋氏による「アクセス解析ゼミナール」が7月に開催される予定だ。詳細は、アクセス解析イニシアチブのWebサイトを参照してほしい。
