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統括編集長インタビュー

「技術的な知識がなくても劇的な成果は出せる」
動画マーケティング最新事情


 マーケティング目的の動画活用が急速に浸透している。その一方で、FlashとHTML5の次世代動画配信・再生プラットフォーム論争や、新端末iPadの登場により起こるであろう動画視聴環境の変化など、新たなトピックも重なっている。この状況の中、一部の企業を除き、動画のマーケティング活用がそれほど進んでいない日本企業は、動画マーケティングにどのように取り組んでいけばよいのか。動画配信プラットフォームを提供する、米Brightcoveの最高技術責任者に聞いた。

マーケティング目的の動画活用が進むアメリカ

 オンラインビジネスの先進国であるアメリカの企業がいま注目しているジャンルが「動画(オンラインビデオ)」だ。日本よりもひと足早くメディア企業のオンライン化が進んだアメリカでは、いま、Eコマースサイトを筆頭に、動画を活用したマーケティングに取り組みはじめているという。動画配信プラットフォーム「Brightcove(ブライトコーブ)」を提供する、米Brightcoveの最高技術責任者であるボブ・メーソン氏(写真左)はこの状況について次のような見解を示している。

 「米国では、メディア企業から先行して動画の活用がはじまりましたが、現在はマーケティング目的での動画活用が盛んになっています。弊社の例でいうと、最近、新規顧客となった企業の半分以上が動画をマーケティングに活用したい、というニーズを持っています。動画マーケティング先進的な事例としてはアマゾンが昨年買収したZappos(ザッポス)などが有名です。動画をマーケティングに活用することで、コンバージョンにつながる、顧客獲得単価が上がる、返品率が下がる、といった成果につながっており、この傾向は今後も続いていくと予想しています」。

 日本でも、楽天などが動画マーケティングに取り組みはじめている。テキストや画像に比べ表現力が豊かな動画は、リッチなクリエイティブのメッセージを、短時間でユーザーへ届けることが可能だ。閲覧履歴、購買履歴データなどを活用し、最適なタイミングでユーザーへアプローチすることが当たり前となりつつある中、アプローチ手段を動画に変えることで、テキストや画像では動かせなかったユーザーを動かすことができているのだろう。

 一方、先日ついに日本でも発売された新端末iPadについて、メーソン氏は次のような意見を述べている。「iPadは発売前から話題となっていました。先日、日本でも発売となりましたが、iPadの登場はユーザーの動画視聴環境、動画を見る場所、タイミングなどを一変させるインパクトを持っていると思います。動画がよりユーザーの身近な存在となっていくきっかけとなるのでないでしょうか」。

Flash vs HTML5論争「二元論は成り立たない」

 また、動画というキーワードの中で最近話題となっているのが、いわゆるFlash vs HTML5論争だ(参考記事:AdobeのCTOがFlash擁護 「HTML5があればFlashは不要」論に反論)。詳細は割愛するが、この論争のトピックとして「HTML5にはビデオ機能が組み込まれるためFlashは必要なくなる」という類の意見をよく耳にする。動画配信プラットフォームを提供する同社にとっても他人事ではないトピックだが、この論争についてメーソン氏は次のように捉えている。

 「技術的な側面からいうと、当たり前ですが、Flashもしくは、HTML5を利用すれば動画を配信・再生することが可能です。ただ、ご存知の通りアップルの端末でFlashを再生することは不可能です。つまり、iPhoneやiPadで動画を配信・再生したいというニーズを満たす点においては、HTML5に軍配が挙がります。しかし、ビジネス目的での利用、例えば動画の視聴データを解析する、広告を挿入する、バイラルを起こす機能をつける、などの商用性を重視するとFlashに一日の長があります。つまり、利用者側、サービス提供者側の視点を総合して考えると、どちらが良いのか、悪いのかという二元論は成り立たないと思います」とした。

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Flashの優位性は当分変わらない

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/09/28 22:24 https://markezine.jp/article/detail/10538

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