マーケティング活動を本社チームで管理し、能率向上を図るSAP
―― まずは、チームの規模や構成について教えてください。
SAPの検索プロジェクトとソーシャルメディアプロジェクトを、ワールドワイドで管理・監督するのが私の仕事です。直属チームはHQ(本社)の8名ですが、北米、アジア/パシフィック、ラテンアメリカ、ヨーロッパの4地域にも、それぞれ現地チームを置いています。
直属チームには、PPC、SEO、デジタル広告、ソーシャルメディアと分野ごとに担当者がいます。昨年12月にソーシャルメディアのシニアマーケティングディレクターを就けたので多少楽になりましたが、グローバルチーム全体を目標に向けて動かすだけでも一苦労です。
―― SEO、PPC、デジタル広告、ソーシャルメディアの担当がそれぞれ配置されているということは、各分野の活動を別々に管理し、運営しているということですか?
SEOとPPC、そしてユニバーサルサーチのように、ソーシャルメディアでもSEOに関連する要素を持ったものは別々のリーダーを置いてはいます。しかし、各リーダーが、チームにそれぞれのプロジェクトやキャンペーン内容を常に報告し、チーム内で調整しているので、最終的には直属チームの全セクションが連動して動いていることになります。ディスプレイ広告は、今のところブランドや製品認知の向上が目的なので、別のチームで管理しています。
―― 以前、カンファレンスでもサーチマーケティングとソーシャルメディアを中央で管理・監督していると話していましたね。各分野や地域の活動を管理しやすくなるという点はもちろんあると思いますが、その他にも、実感した利点はありますか?
SAPでは、まず、PPCとSEO、チャンネルサーチプログラムを中央で管理するようにしました。最大の効果は、予算と人員の効率化です。ただ、すべてを中央で管理すると各地域独自の違いに柔軟に対応できなくなる恐れがあるので、前述のとおり、実際の活動を調整するチームを各地に置いています。
ソーシャルメディアは、完全に中央で管理しているわけではありませんが、プロジェクトやキャンペーンごとに中央の検索チームと密に調整しています。
昨年末に行なったプロジェクトでは、まず検索(SEOとPPC)のデータを基にキーワードを選出し、そのキーワードをうまく埋め込んでソーシャルメディアキャンペーンを展開しました。その結果、facebookで展開したキャンペーンがきっかけでサイトを訪れた人のコンバージョン率が、他のどのトラフィックよりも2.5倍も高いという結果が出ました。
検索とソーシャルメディア以外のマーケティング施策は、すべて中央の広告部が管理していますが、ここでも検索チームと常に調整して、マーケティングプロジェクト全体での能率向上を図っています。