ソーシャルメディアマーケティングにおける成果指標
―― SEOやPPCだけでも効果測定はなかなか困難ですが、それにソーシャルメディアを含めたデジタルマーケティングの成果を、SAPではどのように評価・測定しているのでしょうか?
SAPが現在行なっているキャンペーンは、需要の産出が主な目的です。単にトラフィック数を増やすのではなく、SAPのサービスや商品に興味を持った人かどうか、リピーターなのか初めてSAPに触れる人なのか、問い合わせ数の増減、コストなど、さまざまなデータを集め、成果の測定に使っています。また、需要を増やすと同時に能率を上げるよう常に努めています。
ソーシャルメディアでは、需要の産出と共にユーザーとのエンゲージメントも重要な指標です。下の図は、ソーシャルメディアの各チャンネルから訪れたユーザーのエンゲージメントについてまとめたものです。SAPが展開しているソーシャルチャンネルの利用頻度やエンゲージメントの深さをモニターしています。そこで得たデータを基に、エンゲージメント構築施策を、ユーザーが求めている内容に合わせて改善した結果、他のマーケティング活動よりも2倍以上高いコンバージョン率を得ることができました。
2009年には35万人がソーシャルメディア経由でSAPのWebサイトを訪れている

さらに、オンライン(特にソーシャルメディア)で強い影響を及ぼす、いわゆるインフルエンサーと呼ばれる人々の行動をモニターし、エンゲージメントを持ったところ、人々がソーシャルメディアで友人などに意見や情報を求める時は、購入サイクルの最終点に近いことが分かりました。
―― 検索やソーシャルメディアでの行動から、サービスや商品への関心度や、購入の可能性などが分かるようになると、検索/ソーシャルマーケティングに投資する価値がさらに高まるでしょうが、今は世界的な不況で予算を増やすのはどこも大変だと思います。SAPのデジタルマーケティングには、何か影響が出ていますか?
SAPでは、PPC、SEO、チャンネル検索プログラム(SAPの代理店・子会社が行っている検索プログラム)などを通して、同じ予算でより大きな成果を出すよう、能率の向上と見込み客の獲得数増加に努めています。プログラムの能率を上げて焦点を絞る事で、景気が良かった頃よりも良い結果を生み出しています。簡単な事ではありませんが、常に改善に努めて毎月確実に成果を上げています。