DRMの二つのステップ
ここから、連動広告の可能性を、DRM的な別視点で考えることもできます。DRMにおいて最終的なconversionに至る経緯には「1step型」と「2step型」の二種類があります。前者はひとつまたは少数の商品(サービス)を訴求しその広告や案内のみでオファーを出させる手法で、当然、情報の「鮮度」と「押し」が重要になってきます。「期間限定」「今すぐお申し込みください」的な強い表現が必須なのはそのためです。また、商品そのものも日常品よりも嗜好品が適しています。
それに対し、後者は保存型の情報アーカイブ(カタログやクーポン)を提供し、ニーズが起こったときに商品(サービス)をアタッチさせる手法です。ひと昔前には「メール・オーダー」と呼ばれていたもので、商品の鮮度よりも情報をいかにキープしてもらうかが大きなポイントになります。フリーペーパーや雑誌的なアプローチを採用し、情報入手媒体として認知されるための大盤振る舞い戦術が行われているのもそのためです。
また、ポイント制度などの導入により、このメディアを活用すること自体を習慣化させ、同時にインセンティブで購入(申し込み)モチベーションを増大させることも可能です。ということで、デジタルとアナログのシナジーを作りやすいのは、もちろんこの「2step型」になります。
「続きはネットで」的アプローチのほとんどが、Webサイト上で商品情報提供+キャンペーン用ギミックで構成されていることからもおわかりいただけるでしょう。この多様化した消費ニーズの中で最終的にconversionに落とし込むためには、従来の「1step型」ではConsumerは動かなくなってしまったのかもしれません。
下図は「1step型」の広告におけるフローとユーザー心理です。前ページの図は、そのSearch EngineとLanding Pageの部分を「カタログ提供と活用」というひとつのステップに置き換えて考えれば、「2step型」広告の例として見ることができます。この二つの流れを比べてみてください。

