結局ダイレクトマーケティングってなに?
この連載も何とか3回目になりました。本人は「結構イケてる」つもりで書いているのですが、一部の読者の方から「結局、ダイレクトマーケティングって何なのかさっぱりわかりません」という痛いメールをいただきましたので、今回はまず初心に戻ってここから考察してみたいと思います。
一般に、ダイレクトマーケティングというと、直接消費者に「販売する」手段のように思われています。いわゆる「無店舗販売」で、以下の二つの機能から成り立っています。
- ダイレクトコミュニケーション(直接的な情報提供および交換)
- ダイレクトディストリビューション(直接的な受注および配送)
つまり、思い切り狭義で定義付けてしまうと、「通信販売の手法」こそが、ダイレクトマーケティングであるということになります。でも、本当に単なる通信販売の手法=テクニックでしかないのでしょうか?
私たち(筆者および電通ワンダーマン)は、ダイレクトマーケティングの可能性をもっと広範囲に捉えています。だからこそ、ダイレクトマーケティング(DM)とは区別する意味で、ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)という言葉を使っているのです。というわけで、このコラムも今後はDRMで統一することにします。
前回を思い出してほしいのですが、DRMには二つの世界があると書きました。ひとつは[A]対象者との関係が「ダイレクト」、もうひとつは[B]対象者からのレスポンスが「ダイレクト」というものでした。この[A]が前述の機能の1.を、[B]が2.を包括していることにお気付きでしょうか。
つまり、「お客様に店舗を経由せずに直接商品(サービス)を販売する」という主目的を外さずに、その過程で発生するさまざまなレスポンス…それは「売れた」という結果としてのレスポンスだけではなく、顧客心理や行動の変容までも含めたレスポンス…を読みとって、顧客接点全体をマネージメントするという考え方にほかなりません。これこそが、私たちの提供するDRMなのですね。