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実戦!Google Analytics徹底活用講座

第3回 Google Analyticsでサイトの費用対効果を測定する

効果の高い宣伝方法をGoolgle Analyticsであぶり出そう

 いかがでしたでしょうか。このように目標を設定することで、Webサイトの持つ能力が数字としてあらわれるようになるため「目標達成のために何をすべきか」ということを明確に決められるようになります。

 たとえば私があるWebサイトを運営していて、100アクセスがあったら見積もり依頼が10件きて、そのうち1件は必ず成約に結びつくというデータを持っているとします。そして、仮に1件あたりの売上げが平均して50万円だとします。

 つまり、100アクセスがあれば、50万円の売上げが見込めるサイトです。

 その宣伝のために、私はAという媒体に10万円の広告を出すとします。その広告を出したことで、2000アクセスが集まったとしましょう。そうしたら20件の見積もり依頼がきて、2件成約できます。10万円投資して100万円のリターン。素晴らしい。なので、私はその後も予算を積極的に確保し、Aにはどんどん広告を出すことでしょう。

 もし、あなたがWebサイトを運営していて、上記の計算をするためには、

  1. 見積もり受付ページ(目標達成前のページ)のアクセス数
  2. そのうち何人が実際に見積もり依頼をしてくれるか
  3. 見積もり依頼してくれた人のうち、何人が実際に発注してくれるか

のデータがなければいけません。これらデータはGoogle Analyticsを使って毎日計測できます。そうすることで「運営者が何もしなくてもWebサイトが達成できる成功率」がわかってきます。

 すると、たとえば「Aに広告を出す」といった、何らかの費用が発生する宣伝・マーケティング活動をしたときに「1」と「2」、「3」の数字がどれだけ上がるかもわかるようになります。つまり「○○円の予算を使ったら、いつもに比べて○○件見積もりの依頼が増え、○○○○円売上げが上がりました」という費用対効果の計算があっさりできます。

 もちろん、宣伝・マーケティング活動の中には成功もあれば、失敗もあるでしょう。でも大事なことは、それらの活動を通じて「効果のある宣伝・マーケティング活動」「逆に、お金を使ってもあまり意味のなかったこと」を具体的な数字の裏付けと共にリストアップしていくということです。これを続けていけば、自社および自社サービスにとって効果の高い宣伝・マーケティング活動が何かをあぶり出していくことができ、徐々に成功の精度を高めていくことができるのです。

 弊社をはじめとする多くの中小企業は、残念ながら、いつでも宣伝費を確保できるわけではありません。ところが(現場の最前線でWeb担当者をされている方であればおわかりだと思いますが)ほとんどの企業がWebサイトでサービスを展開している昨今、運営者側の積極的な宣伝・マーケティング活動なしに、Webサイト経由で十分な売上げを達成していくことは、日に日に難しくなっています。埋もれてしまっているからです。

 Webサイトはただ持っているだけでも、サーバーの費用、ドメインの費用、担当者の人件費をはじめとするランニングコストがかかります。そこに加えて宣伝・マーケティングの費用がかかってくるとなれば、きちんと費用対効果の計測はしておきたいところです。ましてやそれがGoogle Analyticsを使ってタダでできるならなおさらのことです。なお、予算計上時に上司の承認を得る必要のある立場にいる方は、きちんとデータを持っておけば、宣伝費を確保する際に、社内での稟議書も通しやすくなるでしょう

 余談ですが、世の中にWebサイトは数あれど、中小企業レベルですとアクセス解析ツールできちんと目標設定をして、効果測定をしているサイトは、私の知る限りほとんどありません。URLをポンポンと登録するだけですし、何しろGoogle Analyticsはタダで使えます。なので、Web制作業を営まれている方は、仕事を受注した際にGoogle Analyticsの設定とかも一緒にやってあげると、お客さんからすごく感謝されると思いますよ。

 今回はここまでです。「Webサイトにおける目標の設定」と「その目標達成率を毎日きちんとGoogle Analyticsで計測しておくこと」がいかに有用か、うまくお伝えできていればうれしいです。もしGoogle Analyticsのアカウントをお持ちの方で、まだ目標設定をしていない人がいたら、今すぐやってみてくださいね。

みんながGoogle Analyticsを使えるようになりました!

 さて、最後に大ニュースを。今までは申し込み者過多による順番待ち状態が続いていたGoogle Analyticsが、2006年8月15日から誰でもすぐに使えるようになりました。詳細は以下のリンクから。
We're open! Instant access now available(Google Analytics Blog・英語)

 Google Analyticsのインストール方法は本連載の第1回に書いてあります。これを書いたときは、まだ順番待ち状態の頃でしたが、アカウント取得後のインストール方法は同じなので、導入時の参考にしてみてください。
第1回 Google Analyticsを設置しよう

 もうこれで、Google Analyticsを使わない手はないですね、アカウントは以下のリンクから申し込めます。もしまだアカウントを持っていない方がいらっしゃいましたら、ぜひこの機会に申し込んでみてください。
Google Analytics

 次回は、Googleが展開する広告サービス「Googleアドワーズ」とGoogle Analyticsの連携方法について取り上げます。お楽しみに。

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この記事の著者

伊草 淳(イグサ ジュン)

1979年神奈川県生まれ。成城大学経済学部卒。雑誌編集者、Webディレクターを経て、現在は不動産デベロッパーに勤務。不動産管理業務と併せ、自社サイトの制作および運用を担当。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2006/08/30 00:00 https://markezine.jp/article/detail/110

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