群雄割拠する3次元仮想世界
3次元仮想世界と聞くとSecond Lifeを思い浮かべる人が多いかもしれないが、Makena Technologiesが提供する「There」など(下図)、いくつか登場しつつあるSecond Life以外のプラットフォームも興味深い。また、豊富な実績をもつThe Electric Sheep Companyのような3次元仮想世界専業の制作会社の存在も、新鮮に感じられる。
ペプシやMTVのキャンペーンでも使われ始めている
さて、VW2007の主な内容は、各社の3次元仮想世界サービスの紹介と3次元制作会社による事例紹介だ。Second Life以外にも様々な仮想世界サービスのプレゼンテーションが行われたが、多くの場合、プレゼンテーションの構図はやはり、Second Life 対 その他プラットフォーマーとなった。
面白いプラットフォーマーもたくさん出始めた
それではここで、3つの仮想世界(There、Entropia、Multiverse)そのれぞれの特徴について、永松氏に聞いてみよう。
「まずThereの特徴は、Second Lifeと比べてユーザーの平均年齢が低い、導入にあたってのパソコンのスペックが低いといった点。また、運営会社であるMakena Technologies社のポリシーとして、企業の参入が自由なSecond Lifeに対して、Thereでは企業の参入にあたって許可制を取っているのも特徴です。よりセキュアな3次元仮想世界であると、安全面での強みをアピールしていました。
一方Entropia Universeは仮想の「惑星」を舞台にした3次元仮想世界で、MMORPG的なゲーム性が強いのが特徴です。もちろんゲームとはいえ、リアルマネートレードを積極的に採用しているなど、経済社会のリアルさはしっかり構築されています。
また、企業や大学などがそれぞれオリジナルの3次元仮想世界を構築できるのがMultiverseです。参加企業は、Multiverseのプラットフォームを活用して、ゲームやコミュニティなど目的に応じた3次元仮想世界が作れるんです。Multiverseが提供するクライアントソフトとIDがひとつあれば、どの3次元仮想世界でも利用可能なことなど、プラットフォームとしての利便性も強く訴えていました」(永松氏)