iPad、2010年末までに1000万台出荷の予想
2010年4月3日にアメリカで発売されてから、7月までに327万台がすでに販売されているiPad。モルガン・スタンレーのアナリストKetyHuberty 氏によると、2010年末までに1,000万台の出荷が予想され、マーケティングへの活用という点においても注目も集まっている(参考情報:Hello iPad, goodbye netbook,Fortune)。
では、iPadはマーケティングメディアとしてどのような可能性を秘めているのだろうか。iPadの特性、ユーザー像から、iPadマーケティングの可能性を探っていく。
iPadがもたらしつつある3つの変化
はじめに、iPadがもたらしつつある変化について触れておこう。iPadは、ライフスタイル、クリエイティブ、プラットフォームにおいて変化をもたらしつつあると言える。
ライフスタイル
アップル社のスティーブ・ジョブズ氏が“ソファで使うメディア”と話したように、iPadはノートパソコンよりも持ち運びやすい端末だ。このことから、自宅におけるiPadとの接触時間と接触態度の量は今後も増えていくことが予想される。それは、今までテレビや新聞、雑誌などをソファで読んでいた時間にiPadという選択肢が加わると言い換えることができる。
さらに、マルチタッチスクリーンというとっつきやすさと、簡易な操作性を実現しており、子供からお年寄りまでがターゲットとなりうると言える。自宅のメディアとして、あらゆる年代層に大きな変化をもたらす可能性があるのではないだろうか。
クリエイティブ
iPadの特長は、縦と横の双方向表示、指先でフリックする直感型操作、速度を測定する加速度センサー、鮮やかな色彩、解像度の高い動画、高感度なサウンド、読みやすい大きさのフォントなど、様々な機能を備えていることである。
これらの機能により、ユーザーとの“インタラクティブ性”を高めることに成功していると言えるだろう。そして、企業マーケティングの視点においては、企業や商品のイメージ、フィーリング、ブランド体験などを顧客に提供できるため、これまでにないクリエイティブを表現できるデバイスとも言える。
プラットフォーム
テレビ、新聞、Webサイト、といった従来メディアと一線を画し、iPadは“アプリが集合する新たなプラットフォーム”を形成した。
企業視点に立てば、企業が自らアプリを開発することで、直接所有できるオウンドメディアが増えることになる。つまり、今まで、自社サイトやブランドサイトに留まっていたオウンドメディアというカテゴリに、タブレット端末というデバイスが加わったことになる。