Firebugと合わせて利用したいアドオン~RefControl/TamperData
RefControl
RefControlは、リファラー送信を拒否したり、指定したりするためのアドオンです。外部のサイトでリファラーを送信しないための用途もありますが、検証観点からは、便利なのがリファラーを指定する機能です。開発環境やクローズドな環境(社内イントラサイト)では、検索エンジンなどのリファラーを飛ばすことが難しいです。
そこで、このアドオンを使えば、検索エンジンからの流入を開発環境で再現することができます。あるいは内部ドメインなどを指定して、リファラーがどのようにアクセス解析ツールで取得されているかをFirebugとあわせて確認しましょう。

TamperData
TamperDataは、HTTPヘッダーやPOSTの情報を確認・変更できるツールです。他にも、HTTPのレスポンスやリクエストタイム取得など、複数の機能がまとまっています。インストールした後に「ツール>TamperData」と選ぶと別画面が開き、メニュー内にある「Start Tamper」を選ぶと、ページにアクセスするたびに、リクエスト情報が自動的に記録されていきます。以下はGoogleAnalyticsへのリクエストが送信された行です。

このツールで便利なのは、リクエスト情報を修正することができるという機能です。以下の例をご覧ください。1920x1200のモニターを使っているのですが、1920x1080に変えてみます。

変えた後に、再度ページにアクセスして、リクエストのURLを確認してみると(該当行を右クリックしてCopyを選び、エディター等に貼ってください)、utmsre=1920 x 1080 になっているのが分かります。

ここでは、分かりやすさの観点から画面サイズを変えています、他にもリファラーや各種変数をかえることができるので、検証に向いています。
正しいデータ取得ができなければ正しい判断はできない
検証という作業自体は、それだけで利益を生まないし、サイトの改善にも繋がりません。そのため、割と甘く見られ、アクセス解析ツールを導入する際に検証を行っているサイトはまだ多くありません。しかし、正しくデータを取得できないと、正しい判断ができないのは最初に書いた通りです。
開発環境があるのであれば、その環境で主要なページ(特にTOPページや成果となるページ)に関しては最低限テストを行っておきましょう。
また、今回紹介したアドオンは、データが正しく取れていない時の検証にも便利です。ある特定のページからのアクセスがない、特定の変数を取っているはずなのにレポートに反映されない。こういった際の、最初のSTEPとして、これらのツールを使って本当にデータがツール側に正しく飛んでいるかを確認しましょう。
更に細かい検証を行いたい場合には、Fiddlerというツールが便利です。Proxyの切り替え、オンライン上にある計測用のJSファイルをローカルのものと差し替え、自動テストなどの機能を備えています。ぜひ、皆様のサイトでもアクセス解析ツールのデータが正しく取れているかのチェックを行ってみてください。
お知らせ
ソフトバンククリエイティブ社より、筆者が書いた『入門ウェブ分析論~アクセス解析を成果につなげるための新・基礎知識~』が2010年10月1日より発売となります。MarkeZineでの連載とは違った視点で、ウェブ分析の基礎から、サイトの課題発見・改善に関する各論を書いております。ぜひ、お手にとっていただければと思います。
